*劇場版BLEACH第3段の姉弟です。
「お姉ちゃん」
お転婆で元気なお姉ちゃんと対称的な性格に育ったのはいつからだったろう。優しくて、でも危なっかしいお姉ちゃんを護る為に早く成長したかった。強くなりたかった。だからお姉ちゃんの為なら何だってした。もちろん僕だってルキアが大切だったけど、僕にはお姉ちゃんが全てだったから。誰にも傷付けさせたく無かったし、誰も傷付けさせたくなかった。
ルキアを大切に思うあまりお姉ちゃんは変になってしまったけど、僕はずっとお姉ちゃんと一緒だ。離れたりなんかしない。しないから、泣かないでよ、お姉ちゃん。お姉ちゃんが泣くと僕も哀しくて、苦しくなるよ。
「ルキア、お姉ちゃんを嫌わないで」
お姉ちゃんが泣いてルキアに謝った時、心の底からそう思った。僕は良いから、僕は嫌ったって良いから。だからお姉ちゃんを嫌わないで。お姉ちゃんはルキアが大好きなんだ。いつもルキアのこと考えてたんだ。僕はちょっとだけ寂しかったけど、それでもお姉ちゃんが幸せなら良かった。
全てが終わった時ルキアはお姉ちゃんを嫌わないでくれて、僕らに名前をくれた。焔と雫。対をなして輝く、綺麗な名前。しずく、と僕は名前を噛み締めた。瞬間、
「しずく」
付けられたばかりの名前がきらきらと響いた。お姉ちゃんの声で呼ばれただけで僕の名前はこんなにも輝くんだ。お姉ちゃんが居るから、輝けるんだ。嬉しくて嬉しくて涙が出た。お姉ちゃん、僕はこれからもずっと隣に居るから、だから一人なんて思わないでね。
僕は愛しい人の手を握ってその名前を呼んだ。
「ほむら姉さん」
(君の名を呼ぶ)
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しずくが最初から最後までシスコン全開過ぎて萌えます。彼はお姉ちゃんの事以外ルキアに言うことは無いのか!……無いか。