お前は俺のダチでもあるんだからな。そう言ってやったのは、あいつを元気付けようとしただけじゃなく俺の中で踏ん切りを付けようとしていたんだと思う。宮地と同じく、俺だってずっと夜久を見てきたんだから。宮地みたいに近くで面倒をみてやったりはできなかったけど、ずっと俺は夜久を見てきた。だから、すぐに分かった。あいつが宮地を好きだってこと。宮地の前ではきらきらと笑顔を振り撒いて、本当に綺麗だったんだ。何だかんだ言って仲良いふりして、あいつに触れる度どきどきしていた。

「もう、犬飼くんはいっつも一言多いんだからあ」
「はは、悪い悪い!」

そうやってふざけた部活仲間を演じておけば間違いなんか起きない。宮地もいつか自分の気持ちに気付いてお前を好きだと言ってくれる。お前の気持ちもきっと届く。俺はずっと脇役だから、報われなくたって良いんだよ。

「なあ、夜久」
「なあに?」
「宮地くらいなら殴ってやるぞ」

だから俺に相談しろよ

狡いやり方でもお前と話せるきっかけが欲しかったんだよ、しょうがないじゃん、好きになっちまったんだから。俺は月に恋することができるような空に輝く星座じゃない。宮地を引き立てるための噛ませ犬だ


(※今日は泣かない予定です)

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宮地ルート前提です。噛ませ犬という響きがすき。

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