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砂を掻いては泣き叫ぶ、彼女も昔は美しかった。悲しいひとだね海はもう枯れてしまったよ。

また明日と手を振って別れるふたりの約束を初めて違えた夜の午前二時、妙に胸騒ぎがする着信を受けた僕の顔を、今はこの土の下で眠る君に見せてやりたい。

聞こえるかいこれが僕の心臓の音だよ、あなたと同じに生きているよ、だからどうかまだ置いていかないで。

愛されて育ったあの子は独りでも生きていけるととても無邪気な勘違いをしている。それじゃあお好きにしなさいよ、と僕はうっそり笑って彼女の不幸を願った。

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