maru-ma05 | ナノ


宣戦布告?(まるマ/勝利,有利)





※男夢主×男キャラ


俺はいつもより一時間早く目が覚めた。
まだ日は昇ってないらしく辺りは真っ暗で眼鏡がないから尚更わからない。
それでも、一番大切な存在が隣にいることくらいはわかっていた。


「…めーちゃん」


そっと頬に触れると小さく唸った。
…まだ起きなさそうだ。そもそも名利は有利と違って一分一秒でも長くベッドで寝てたい派だ。そんな事、とっくに知っている。


『ボクは、勝利がどう思ってるかはしらないけど、言った事に後悔はしてない。でも、勝利を困らせたなら』

『そりゃ困るさ。約十年、そしてこれからも永遠に実らないだろうと思ってたお前と実は両思いだっただなんて』


俺だってその言葉に嘘偽りはない。事実、俺は十年も前から気付いていたのだから。


「…シャワーでも浴びてくるか」


万が一俺がいない間に開けられたら面倒な事になりそうだから鍵をかけると俺は下の洗面所へと向かった。


***


「…お前はやっぱり朝起きるの早いな」

「え?あ、勝利。…名利は?」


着替えを取りにいってやろうと双子の部屋に入ったら、案の定脳筋族有利は既に起きていた。
つくづく名利と有利の二人は生活パターンが合わないのに一緒の部屋でいられるよなあと思う。


「名利は熟睡中だ。それとお兄ちゃんと呼びなさい」

「呼ばねーよ。めーちゃんの服取りに来たんだろ?そこだかんな。ついでにおれのも取ってくれない?」

「はいはい…」


仕方がないから適当にゆーちゃんの服も取って投げるとサンキュ、と返事が返ってきた。
めーちゃんの服も適当に探していると着替えながらゆーちゃんが話しはじめた。


「めーちゃんあんまり、連れていかないで欲しいんだけど」

「何のことだ?」

「そのまんまだろ。めーちゃんの部屋はこっちなんだから」

「別に俺が呼んだ訳じゃない。めーちゃんが勝手に来ただけさ」

「おれ、勝利にめーちゃん渡すつもりはないからな」

「…服持っていくぞ」

「…ああ」


俺は有利の顔を見ないようにして、廊下に出た。
それにしても今のは。


有利、これは宣戦布告と受け取って良いのか?


.......................


back




- ナノ -