いつかは必ず(TOW3/ユーリ) |
※男夢主×男キャラ 「そういえばローウェルさんはどこに寝泊まりしてもらいましょうか…イアハートさんは良いとして…」 船長がそう頭を傾げたのに対しユーリはあっさり答えた。 「?普通にこいつの部屋でいいだろ」 「なっ…未だ殆どの人が入ったことない部屋にですか!?入るだけで苦労するんじゃ」 「え、さっき入ったけど」 平然と答えるユーリに少し呆気にとられてるようだ。なんともいえない目で私とユーリを交互に見ると小さくため息をついて言った。 「…そうですか。ウィレムさんが構わないなら僕は別に良いですよ。確か貴方前にふとん、とかいうの買ってましたよね」 ああ、いつの日か通販で買ったやつか。奥底に閉まったような気がする。あれ出すのか…面倒くさ…。てか今更同じベッドでも問題ないですよ…。 「……彼を甲板で寝かせる訳にもいきませんしね、私は構いませんよ」 そう言う訳にもいかないから適当に誤魔化して言った。多分、俺達の関係が普通でないことくらい分かっているから。 「じゃあ後は貴方達におまかせします」 「おう。色々すまねーな」 *** 「ふーん…殆どの人が入ったことない…ね、随分壁作ってるんだな」 部屋に入るなり椅子にさっさと座るとユーリは部屋を見渡した。一人用ベッド(ちょっと大きいけど)に学習机(バンエルティア号に埋もれてたのを貰った)、それに俺…いや、私が大量に作ったぬいぐるみとポスターが少々。長門マジ天使。後は引き出しに全部つっこんだ。 「余計な事は良いですよ。それより少しは…っと」 「別にふとんなんか必要ねーよ。一つベッドがあれば十分だろ?」 「いや…だって狭いし…」 「そんなことないだろ?てか何、今更?」 「…ユーリははじめからそのつもりだったんですね」 「あーまあ。そんなもんしまってこっちこいよ」 「…俺は今日早く寝たいんですけどね。…ねえ、ユーリ」 「…どうした?」 「自惚れだったら、すいません。俺に、会いにきてくれたんですか?」 「……ぷっ」 「な…う、自惚れなのは分かってます!け、けど…」 「くくっ…ほんと何を今更…お前に会いにきた以外に何の理由があんだよ…」 「…なんで……」 「お前、よくそういう反応するよな。…ヴィルの事が好きだから、だろ?あ、心配すんなよ、ティティは知り合いに預けてっから」 「っ…簡単に、そんなこと」 「簡単じゃないさ、恥ずかしいに決まってんだろ…でも折角、また会えたんだ。伝えたい事はちゃんと伝えないと、後悔なんてしたくないしな」 「…俺だって、ユーリが…」 「……オレがなんだって?」 「だから…」 「だから?」 「ーっ、大好きだって、言ってるんですよ、馬鹿!」 「うおっ、と。馬鹿…ね、ヴィル、こっち向けよ」 「…やだ」 「ったく…まあ良いけどよ?暫くはまた一緒にいられるんだからな」 「……ええ」 暫くは。その暫くが終わったら? 折角ユーリに会えたのに、同時に再び別れなくちゃならない事。 そう考えたら、胸が痛んだ。 ....................... ←back |