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ため息なんて(まるマ/勝利,村田)





※男夢主×男キャラ


そういえば昨日健に呼ばれていた気がしたから眞王廟へ向かうといつものごとくなに考えてるかわからない笑顔で出迎えられた。


「なんだかんだで名利って渋谷以上にこっち出入りしてるよねー」

「健が呼ばなきゃこないよ。…ていうかなんで呼ぶの?」

「えーだってここって女の人ばっかりじゃん?」

「なら良いじゃん。健が今まで夢見てきたハーレムがここにあるんだから」

「うーん、まあそうなんだけどさあ」


ボクがそう言うと健は少し唸りながら何かぶつくさ呟いている。
確かに健の言う通り有利以上にこっちに足を運んでいるかもしれない。眞王廟の巫女さん達の名前も大分覚えた。健が迎えにこなくても自由に出入り出来るようになったし。…男子禁制のはずが。


「まあ良いでしょ?友達なんだから」

「……友達じゃない、親友だもん」


気になったからそう言うと瞳をうるうるさせて健がいきなり抱きついてきた。
っ、やっぱ言うんじゃなかった!


「めーちゃんはほんと可愛いなあ!お兄さんさえいなければ僕が貰いたいとこだよ」

「わっ、放せってかどういう意味!…そういえば地球に戻ってきたらまた時間がズレてる、とかないよね…」

「ないとは言い切れないね。でも…」

「貴様は何者だ!」

「ん?」


突然、巫女達の怒声が聞こえた。


***


「有利だよ有利!とにかく有利を呼んでくれたら…」

「こいつ、陛下の名を…なっ、その色は…」

「勝利!?」

「めーちゃん!」


騒がしい方へ行ってみると巫女さん達が誰かを囲んで…と思ったらまさかの勝利で思わず大声を上げてしまった。
その声に勝利が振り向く。…何故か葉っぱなんか被ってるんだけどダサ。
でもなんで勝利がこっちに…


「やあ、渋谷のお兄さん」

「…フン、遅かったじゃないか、弟のお友達」


***


「俺だって分からないさ。ゆーちゃん達が帰ってくるのが遅くて、湖の様子を見に行ったら突然光出して、腕を伸ばしたら…」

「こっちに来たんだ?あ、これはい。でもやっぱり時間経ってるんだね…」


勝利の着替えを手伝いながらなんとなく地球の状態把握。
箱が集まったから地球にまで影響与えてるのかな。
ボクが呟いた事に頷いた後ところで、と勝利は話を変えてきた。


「弟のお友達?なんでお前とめーちゃんが一緒にいるんだ?俺はてっきりめーちゃんはゆーちゃんと一緒にいるんものだと思ってたんだけどな」

「だってー僕たち親友だもん!ね、めーちゃん」

「違…くないけど…」

「照れちゃってかわいいんだからー」

「健なんかウザい」

「えー酷いなあ親友にえ、あのお兄さん?あの、苦しいんですけど胸ぐら掴むのやめて、やめてくれませんかー」

「ああ悪いな、なんかもの凄くイラッときたっていうか」

「だからって暴力はやめましょうよ、めーちゃんだってビックリしてますし」

「いや、いつも通り過ぎて何もビックリしてないんだけど」

「くっ…やっぱりめーちゃんはお兄さんを取るんだね…」

「お前がめーちゃん呼びする筋合いはない!」


はあ、とボクは小さく溜め息をついた。
健と勝利ってばいつも口論ばっかなんだから。


「…その原因が大体自分である事に名利気付いてる?」

「え?」


溜め息つきたくなるのはこっちだって。ねえ?お友達のお兄さん。

.......................


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