※創作BL
「おっじゃましまーす」
「……空夜?なんだその格好…」
「え?ああ、実はこれから仕事なんだよね。家に帰るの面倒だから着替えてきちゃった。どう?」
「どうって……」
いつもとは正反対の格好なのに、あまりに似合いすぎていて、なんて言って良いのかまるでわからない。
午後五時半、夕食を食べにきた俺の友人(多分)は、何故かスーツを着ていた。
「これからって…夜勤なの?あ、上着かけるよ」
「ありがとう。うーん、夜勤っていうか夜が主っていうか…」
渡された上着をハンガーにかけようと、チラりとタグをみたらなんかいかにもお高めなブランド名が書いてあった。こいつの正体は最初に会った時から謎だ。正確な年齢は知らないが、25才以上であることは明らかで、そしたら何処か働いてるはずだけど平日も俺の家に遊びにくるからサラリーマンじゃない。というかそれくらいしか予測できないんだけど。
…何してるんだコイツ。
「てっきりアンタは働いてないんだと思ってた」
「いつも思ってるけど中々に酷いね。普通に働いてるよ。まあ特殊だけどね」
「ふーん…」
凄く気になるけどあんま捜索するのも悪いし、俺は夕食の支度をしようと台所に向かおうと、した瞬間、後ろから突然抱き締められた。…は?
「ねえ…キミってそんなにオレの事好き?」
耳元で囁かれて思わずゾクッとする。
え、空夜…?
なっなんか、分かんないけど、変な気分になりそう!
「は、離れろっ!!」
「あははっ結飴ちゃんったら真っ赤になってかわいー。分かんない?」
「な、に、が!」
「僕、ホストやってんの」
「……ワンモアプリーズ?」
「アーイムホストー!…あ、英語でもホストで良いのかな」
この天然アホ眼鏡のコイツが?ホスト?…ポストの間違いじゃないのか。いやいやいやいや、ない。ない!
「ない!」
「事実だから。っていうか今然り気無く酷い事考えたよね」
「ホ…ホストってなんかもっとすげー奴がやるんじゃないの…アンタみたいなちょんちょこりんが出来るの?」
「でも、結飴ちゃん簡単に落ちちゃったでしょ?」
「っ、うっさい!」
図星突かれて、思わずすぐ横にあったぬいぐるみを投げると俺はそそくさと台所に行った。確かにさっきの…い、いやいや今のは不意をつかれただけだし!それに俺は男だし!うう…まだ顔赤いのかな…なんか動悸も治まらないし…バカ空夜のくせに!なんだか、さっきの空夜は違いすぎて、俺の知ってる空夜とは別人な気さえした。
新たな印象
空結その2
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