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コレクト・ゲーム(ファイブレイン/ギャモン)





※男夢主×男キャラ


「あの、推原センパイ」

「なんだい?」

「その…」


ソウジは何処かへ行ってしまって(多分理事長のとこだろうけど)暇だしテラスに行ったら他のみんながいるかもしれない、そう思い廊下を歩いていたらギャモン君と鉢合わせした。
最初は喧嘩腰だったが僕が先輩とわかったからか、何かはわからないけど今は前よりは大人しい。
どうやら彼もテラスへ向かっていたらしく、一緒に行く事にしたが。
特に話すこともなく無言だったがギャモン君の方が先に口を開いた。
にしても彼のわりには歯切れが悪い。かなり。
何か真剣な話なんだろうか。僕は足を止め、ギャモン君の方を向いた。


「何か言いたい事があるの?まあ無理にとは言わないけどね」

「あっ、いや、その…」


…これは何かある。
もし今ここにカイトくんかノノハちゃんがいたら大爆笑だ。
正直僕も少し笑いそう。笑わないけど。


「キミにしては珍しいね、そんな口ごもることなの?」


ギャモン君の顔を見ようとすると若干見上げる形になる。
僕の方が年上だが残念ながら身長は彼の方が上だ。少し悔しい。


「しっ質問があるんすけど!」

「うん、だから何?」

「ええと…違ったらすんません!推原センパイと軸川センパイって付き合ってるんすか…!」

「…え?」


…なんだって?


軸川ってえ、あの軸川ソウジ?それともアイツに妹なんているのか、いや、いてたまるか。
そもそも妹なら先輩じゃないよな。ってそんなのどうでも良いか。


「え、だから推原センパイと軸川センパイが」

「分かった、ごめん二度も言わないでくれ…」


ビビった。まさか僕たち二人がそんな風にみられていたなんて。
これは後で要検討だな…。


「そんな事あるわけないよ。ソウジはただの友人だ。寧ろそう見られてたことに僕は驚いた…いや寒気すら感じたね」

「そ、そうなんすか!そっすよねーあは、あははははは…良かった…」

「良かった…?もしかしてギャモン君はソウジが好きなの?」


まさか、ギャモン君がそっちの趣味…?
僕が不審げに聞くとギャモン君は焦ったように腕をブンブン振りながら答えた。


「ち、ちちち違いますよ!軸川センパイじゃなくて俺は推原センパイが好きなだ…あ」

「…え、僕?」

「っ、今の何でもないっす忘れて下さい!あ、え、あの本当なんでもないんで!俺先にテラス言ってますね!あ、もう本当今の忘れてくっさい!!」

「あっ、ちょ……え、ええ…?ギャモン君ってノノハちゃんが…え?」


待て待て待て待て。
今の反応からして恐らく今のは本心…え?
なんてことだ。
男どころか女の子にも告白されたことなんかないのに。

僕はノーマル。ノーマルなはず…


「っ、て追いかけないわけにもいかないよな!」


何を言うべきかなんて何も考えてないけど追いかけなくちゃいけない気がした。
難解なパズルなんかよりも、よっぽど難解な問題を抱えて、僕は真っ赤な顔で走っていってしまったギャモン君の後を追った。

―コレクト・ゲーム

きっとこのパズルは、僕にしか解けない。



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