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心配事(まるマ/勝利)





※男夢主×男キャラ


「もしボクが女の子だったらどうする?」

「そりゃ勿論盛大に可愛がってお兄ちゃんと呼ばせ、お兄ちゃんのお嫁さんになると言わせ…は?え、めーちゃん?」


もしも妹がいたら。
そんなの幾度となく、いや毎日だって考えている。
きっとゆーちゃんめーちゃんみたいに可愛くって仕方ないに決まってる。あ、でも性格は似なくていいや。あんな野球バカ…待てよ、スポーツ好きな活発な子も可愛いじゃないか。
いやいや、それはさておきなんでそんな事を名利が言い出したのかだ。

言った張本人は俺の熱弁にふーん、とだけ答えまた狩りに戻っていた。


「って、振っておいてそれだけかよ!」

「え、なんか言うべきだった?」

「いや…でも寂しいじゃんか…。なんでそんなこと聞いたんだ?」

「今日、健がもし名利が女の子だったらお兄さんの好みとドンピシャじゃんって言われてそれで…」


そこまで言って急に顔を赤くすると名利はそっぽを向いてしまった。
え?どうしてそんな反応を?
確かにめーちゃんみたいなおとなしくてゲーム好き…はまあ良いとして、いかにも文学少女雰囲気出した黒髪おさげの眼鏡っ子(この際伊達でも良いと思うしな!)にお兄ちゃんなんて呼ばれたら俺は間違いなく昇天するな、うんうん。


「確かにモロ好みだな。良いなあ妹めーちゃん…」

「…っ、勝利は!女の方がやっぱり好き、だよな…?」


心配そうに俺の事を見つめる名利を見て何が言いたいのかやっと理解した。
全く、一々なんでコイツはこんな可愛いんだ…!
俺はそんな名利の肩をそっと抱いてやる。少し驚いた反応は見せたが逃げようとはしなかった。


「もし目の前にめーちゃん似のドストライクな女の子がいたって、勿論目では追うだろうし、気になると思うけど惚れたりはしないさ。他の女の子だって、俺の一番が永遠に変わることはないよ」

「目では追うんだ」

「…仕方ないだろ、めーちゃん似の女の子が可愛くないわけないし、俺の夢なんだから。…なあ、俺はお前の事を誰よりもずっと、一番愛してる。それじゃ信じて貰えないか?」

「ボクはギャルゲの中の女の子じゃないんだから、そんな事言ったって好感度が上がるわけじゃないんだからね」

「その割に、耳まで真っ赤じゃないか」

「こっ、これは…勝利はズルいよ!そんな事言われて、ボクが照れること分かってるくせに」

「でもそこまで言わなきゃ、お前には伝わらないだろ?安心しろよ、俺は今まで名利以上に可愛いと思った事も、好きになった人もいないからさ」

「ーっ、あっそ!!」


名利は肩に置かれた俺の腕を振り払うと真っ赤な顔で睨み、バタバタと部屋を出ていった。
あんな可愛い反応をしといて無自覚とは恐ろしい。

全く、ズルいのはどっちだよ。

今頃ベッドの上で唸ってるであろう名利をからかおうと俺も後を追って部屋を出た。


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