ナマエの暴走(TOW/チェスター) |
「せんせ!…クラースせんせー?」 机で伏して―そう、それはまるで屍のように―寝ているクラース先生をあたしは容赦なく揺すった。 「って今の聞いてたルキ!まるで屍のように、だってあたし天才!」 「…何の話?」 この無愛想め。ナマエ様の素晴らしさが分からないのかしら。ていうかすました顔で見ているのはカイカイの写真か。このブラコンめ!ついこないだまで兄弟がいる事すら知らなかったくせに。 「まぁいいや、ルキには興味ないし」 「自分から話振っといてなんだよ!」 「せんせ起きてよーここ分かんないのー起きろよ馬鹿ー」 ルキの言い分は華麗にスルー。相手してたら身、持たないし。(それは僕の台詞だよ…byルキウスさん) 「……あ、ミラルドさん」 「何ぃっ!?」 「嘘だお」 「…ジャティ…お前は…っ」 「先生が起きないのが悪いんだから!ここ分かんないから聞きたいの!」 「はぁ…?聞くならルキウスにでも聞けば良いだろう…私の睡眠返せ」 「ルキ難しい言葉っかで意味分かんない。あ、今掛詞使ったの分かる?」 「いや、使い方間違ってるから。ていうか睡眠時間を」 「ここ教えて!」 「…分かったよ、ったく人の話を聞けよ…誰がこんな人間に…あーと、だからこれはこうなって…」 はじめから素直に教えれは良いのよ!それを無意味に逃げたりするから。あー先生ってヘタレだし何も出来ないけど宿題やる係りにはなれるわね。リフィル先生の宿題意味分からんすぎて頭パーン(^O^)だから助かったわー。 「ふむふむ。じゃあこうなのね」 「あーだから、ちゃんと確認してから解け!忘れてる!」 「ういうーい」 「…なんだその酔っ払いのおっさんみたいな返事は」 「あによ!こんなか弱い乙女におっさんて!これだから先生はデリカシーが足りないのよ!あーあ、そんなじゃミラルドさんにも愛想つかされちゃうよ?」 「い、今はあいつは関係ないだろ!」 せんせったら単純なんだから。ミラルドさんの事を出すと直ぐ慌てちゃってさー。分かりやすいんだよねー。…は?嫉妬?だぁれがだぁれにかしらぁ?はっ、冗談やめてよね!先生みたいなヘタレ、あたしはいらないもん。それよりもー優しくて、かっこよくて、頼れて、狩りもできて、あぁっそうよ!あたしだけの王子様がっ 「おーい、ナマエ?真面目に勉強してっかー?」 「きたぁぁっっっ!!!!!」 「ちょ、うるさっ!お前今私の話聞いていたの」 「チェスターさまぁぁっっ!!」 「うお、相変わらず元気だなぁ」 「あー全く…」 チェスター様の胸にレッツ、ダイビング☆あたしだけの王子様(自称)!ピンクの魔法少女なんか知ったこったないわようははは!嗚呼、チェスター様がこのあたしの心配をして来て下さった、あたしの為に!勉強なんてやってらんないわよ!ぶっちゃけー?ルキに頼んで空欄全部埋めさせとけば良いんだしー? 「チェスター、お前もなんか言ってくれないか?相変わらず人の話を聞かなすぎなんだが…はぁ」 「…あんたも相変わらず苦労してんな…。ほら、だってよナマエ?」 「えー?だって先生からかうの楽しいんだもん」 「お前は…っ、前から思ってたんだが私の事を先生とか呼ぶくせに全然尊敬もしてないだろう…!」 「召喚術だけは尊敬してるよ?召喚術だけ」 「二度も言わんで良い!」 まぁー後は頭脳とか?一応尊敬してるけど褒めたら調子乗るから言わないもんね。あ、チェスター様なら幾らでも!皮肉屋なとこでしょ、スケベ大魔王でしょ、それからシスコンにー後退組でー… 「お前今さりげな俺に失礼な事考えただろ…」 「そんな訳ないじゃないですかー!チェスター様はいつだって王子様!(PT的に)いちばんうしろの大魔王!俺の嫁!」 「あーはいはい。で、パニールがパイを作ってくれたから一緒に食べるか?って誘いに来たんだが…まぁお前まだ宿題終わってねーみたいだし」 「そんなもん30秒もあれば!先生返して!」 「いや、お前がわざわざ熟睡中の私を起こしてまで聞いたのにそんなあっさり」 「でけた!チェスター様!これで良い?」 「早!…まぁ、ズルもしてないみたいだしな、じゃあ行くか」 「はぁい☆」 まぁ何て事何て事!チェスター様にお誘いを受けるなんて!これフラグ立った!?立ったよね!あたしが無理矢理立てるわよ!うふふふ…ゴールインも近いわね…。アーチェ・クライン!あんたなんかに負けないんだから!あたしはそんな乙女心を胸に抱きながら チェスター様と一緒に食堂へと向かった―… 嵐が去った後。 「ったくなんなんだあいつは…起こすだけ起こして行きやがって…しかも答え合ってるし…」 「…やれば出来る子」 「ちゃんとやれば、な」 ....................... ←back |