短編 | ナノ


*影響(うたプリ/トキヤ)





*男キャラ×男夢主

「トキヤ…あのね、僕ちゃんと、トキヤの事好きだからね!普段はその…恥ずかしくてあんまり言えないけど…」

「え…ええ……」

「ほ、本当だからなっ」


ナマエは真っ赤な顔でそう言うと持っていたものをソファーに投げつけ部屋の外に出ていってしまいました。

…はい?

一体何があったんでしょう。普段は頼んでも好き、なんて言ってくれないのに。明日は雪どころか槍が降るのかもしれません。
勿論、言われて嬉しくないわけはありません。事実ニヤけが止まりません、けれども寧ろ奇妙です。不可解です。
本当にどうしたというのでしょう。

そういえば、とふとさっき彼が投げたゲームを取りました。
折り畳み式らしく、開くとゲーム画面が…これは乙女ゲーム、の類いじゃないでしょうか。またやっているんですね…。
その画面には、目付きの悪そうな青髪の青年、どことなく私に似ている気がしなくもないですが気のせいですかね、と台詞が。


「…キミは可愛いから、言葉で伝えてくれないとたまに不安になるんだ。」成る程…」


何故、可愛いから言葉で伝えなくちゃいけないのかは理解不能ですが、彼の言動は理解しました。
全く、直ぐに影響されやすい人ですね。
きっと、この目付き悪いさんが不安になるって聞いて私もそうだろうと思ったのでしょう。

全く不安にならないと言えば嘘ですが、私は貴方が私の事を一番に愛してくれているのはよくわかりますよ。いつも見ているんですから。
そして、今私がするべき事は彼を追いかける事だと思います。意外と寂しがり屋ですし、あの表情のまま学園内を彷徨いているのならそれはそれで放っておくわけには行きません。


「向かう先は屋上ですかね…」


なんとかと煙は高い所が好きって言いますし。
私は上着を羽織ると、屋上への道を急ぎました。


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