短編 | ナノ


*独占欲(TOW2/ユーリ)





*男夢主×男キャラ

オレは、最低だ。

アイツが弱っているのを知って、優しくして、自分はお前の味方だよ、そう囁いた。
あの時の状況でそんな事を言われたら、絶対にすがるに決まっている。
分かっていた。だからオレはその通りにして、彼は事実、オレを一番頼れる人として、一番守ってくれる人と思い込んだ。

本当は全然そんな事ないのに。
オレは、お前が恐れるような人間と同じなんだよ。


「ユーリ?どうしたんです?」

「え…あ、いや。なんでもねーよ」

「そうですか。戦闘中に考え事は貴方であっても危険だと思いますよ。油断は禁物って言いますし」

「そうだな…」

「…なんか今日は変ですね……。まあ良いです。俺が貴方を守るだけですから」


そう言い、小さく笑うと彼はダンジョンの先へとまた歩き出した。

どうしてオレなんかに笑いかけてくれるんだ。オレはお前を騙してるというのに。
ふと、白くて細い首筋に小さな痕が浮かんでるのが見えた。
あれは、オレじゃ、ない。


「ーっ!?離し、て…、っ離せ!」

「え…?」


今、オレは、何をした?
目の前では苦しそうに咳き込むナマエが…。


「ゲホッゲホッ……っ、ユーリ!幾らイラついたからって、首絞める事はないでしょう!ケホッ…それとも、なんですか。殺したい程俺が憎かったりするんです?」

「違っ…オレにも、何があったのか……今オレは、お前を殺そうとしたのか…?」

「……わりと本気だったと思いますよ」


どうしてオレがナマエを殺そうとなんかするんだ。
一番、大切にしたい人をなんで…。

座り込んで放心状態になっていたら、いきなり手が差し伸べられた。
ゆっくりと顔を上げると、少し面倒くさそうな顔で彼がオレを見ている。


「早く終わらせて早く帰りましょう。貴方、やっぱり今日は様子が変です」

「…なんで手なんか出すんだよ」

「そりゃ…貴方がいつまでもそんなとこに座り込んでいるからですよ。全く、された方よりした方が驚いててどうするんです。…大切なパートナーを置いていけるわけないでしょう。ほら、早く立って」

「もし…オレがまた同じ事をしたらどうするんだ?」

「そしたら脳天にぶち込んでやりますよ。…なんて、冗談です」


ナマエはそう言うと、また笑った。

いっそ、お前の手で殺してくれたら良いのに。

.......................

こういうのまるマでも書いた気するぞ…

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