短編 | ナノ


*代わりに俺が(時オカ)






なんであいつが、こんな危ない目に合わなくちゃならないんだろう。
変わってやれるもんなら、オレが…


「できるわけないでしょう」

「でっすよねー姫様辛辣ー然り気なオレ傷つくんだけど、オレも人間なんだけど」

「あら、そうだったかしら?てっきり猿の惑星からきた野蛮人かと」

「女じゃなかったら張っ倒すぞてめえ…」

「やれるものならやってみなさい、その代わりインパが貴方を殺しにきますよ?」

「う…っ、オレやだ…あいつ怖い…」


何故かこの姫様はオレには超毒舌だ。なんなんだこの猫かぶりが。リンクにはや
たら優しい姫様演じやがって。


「はあ…でもオレ達は暫くの間、待つしかないんだよな…」


リンクはマスターソードを扱えるようになるまでの長い眠りについた。…らしい。
オレ達は何も出来ない。勇者…選ばれた彼が戻ってくるまで、したくても何もで
きないんだ。オレ達だってこのハイラルを守りたいが多分、力は及ばないんだろう。


「あいつにはちと荷が重すぎるんじゃないのか…」

「そうですわね…でも私たちは彼に頼るしかないの」

「ゼルダ…」


彼女はもう決心してるっていうのか。…やっぱ凄いな、姫さんは。
オレはいつまでも、悩んでばかりだというのに。


「でも、できる限り強くなって彼が目覚めた時、少しでも支えてあげる事はきっとできるはずよ」

「…ああ、そうだな。その為にオレも呼ばれてきたんだからな」

「不本意だけど、貴方の強さは認めるわ。だから、私にも戦う力を教えて欲しいの」


ハイラルの為に姫自らが剣を取る。リンクもそうだがゼルダも、強いなあなんて感心してしまう。
姫様がそう言って立ち上がったからオレも一緒に立つ。
なあ、オレの力も、以外と役に立ちそうだ。


「姫様だからって手はぬかないからな、取り合えずこい!」

「…っはい!!」


オレに、剣を教えてくれて、ありがとうな。



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