「えーっと、光くん?」
「はい」
「これは一体なにかな?」
「俺の彼女っすわ」
「…」


おれは一氏ユウジ(15)いまをトキメク中学3年生や。そんなおれの後輩でもあり、その…恋人でもある四天宝寺で天才の名を持つ財前光(14)の新たな趣味を発見してしまった今日この頃…。


「え、なんて?ぱーどぅん?」
「覚えたてか知らんけどヘタクソな英語使わんでください」
「うっさいわ」

そうや今日英語で覚えたばっかで使いたなってん!図星やで、さすが天才やな!…って、そんなことはどーでもええねん!問題は目の前に広がる光景を俺は早く理解したい。目の前に広がるのは財前の部屋なはずなのだが…


「初音●クっすよ、知らんのですか?」
「知らんわ。財前…お前にこんな趣味あったなんて先輩は悲しいわ」目に飛び込んでくるのは青いツインテールをしたなんとも可愛い女の子のフィギアやポスター…あ、パソコンの画面まで…。なんや視界が青ばっかりで気が狂いそうや。部屋にいるだけで初音●クとやらと何回も目が合う。

「なんですか?その可哀想なものを見るような目は」
「いや、意外やなぁーと思て」

お前どちらかと言えばアニメ?興味ないっすわー。な雰囲気バンバンやないか。そりゃビビるっちゅーねん。俺はもっと黒を基調としたシンプルな部屋を想像しとった。そんなクールな部屋でたまには恋人らしくいちゃいちゃしたいとか計画しとったのに。まぁ「ユウジ☆初めてのお部屋デート」という夢いっぱいな理想は見事粉々に砕けていった。

「せんぱい…」
「え?ちょ…っ!」

いきなり甘い声出す光。まてまてまてまてまてまて!!いきなりなんや!いまってそんな雰囲気やったか!?

「まてまてまてまて!ストップ!」
「…なんすか、空気読んでくださいよ」
「読んどるわ!こんな2次元の住人に囲まれて盛るお前こそ空気読めや!!」
「なんか問題でもあります?」
「あるわ!」

なにケロッっとした顔しとんねん、こいつ。こんな部屋でできるわけないやろ!「見せつけてやればええんですよ」
「………は?」
「視姦プレイってことで…」
「おいおいおいおい、おい!」

「いただきます…」って光が俺の服に手をかけた瞬間…



「ひ、光のあほおぉおぉおぉおぉおぉ!!ぉおおォおおォおおおお!!!!!!!!」


ダン!!っと勢いよく光の部屋を飛び出した。階段とか3段くらい飛ばして、玄関を出た。荷物とか忘れてきたけど関係ない!!光、堪忍な…俺にはもっとムードのある中おまえにすべてを捧げるっていう乙女な夢があるんや!!



―その頃、財前光くんは


「変な先輩…」


自分の部屋に問題があることを理解していなかった。








・あとがき


財前がニコ厨だったら激しく萌える。




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