「学ランってつまらんっすわー」



全てはこいつの一言からはじまった。

ああ、純粋に中学生らしくマリカーで盛り上がってた1時間前に戻りたい。


「制服プレイってもえません?」


なんならマリパーで盛り上がってた2時間前でもいい。いつも学校では無口のクールキャラ気取ってるくせにたまに耳を疑うような発言をかましてくるこの後輩。制服プレイって…制服でなら何回かやっとるやろって思ったけど、なんか学ランやなくてブレザーやないとあかんらしい。正確にいうとネクタイがポイントらしい。


「よう似合ってますよ先輩」

「さよか」

「たまにはあの兄貴も役に立つわ」


どこからか引っ張りだしてきたんは、光の兄貴の高校時代だったときの制服。しかも上下ちゃんと2着ある。2人ともブレザーは羽織ってないけど、チェックのスラックにスカッターシャツ、決めてのネクタイ。

学ランしか着たことないからなんか変な感じや。しかも光が妙に似合うのが腹立つ。こいつなに着ても様になるからむかつくわ。黒縁メガネとかかけたらやばいと思う。

「満足したか?」

「いえ」

「は?」

「せっかくやから学ランではできんかったことしましょ」


ベッドに倒され、光が覆い被さりながらシュルって自分のネクタイを緩める。


「一回やってみたかったんですよ、制服のネクタイで手縛ってヤるん」

「趣味わるっ…」

「どうせなら、今日だけ立場逆にしません?」

「俺が後輩?」

「そう。むちゃくちゃにして「ひかる先輩もう許して」って言われてみたいんですよ」

「…」

どんな設定やねん。アニメの見すぎやろ。あー、いやな予感しかせぇへん。でもこいつ1回言うたら本気やからな。

とか、ぼんやり考えてたら早くも頭の上で腕を一つにまとめられる。手の自由を奪われてちょっと怖くなったけど抵抗するんもめんどくさいからされるがままや。

おまけにヘアバンも取られて、頭をわしゃわしゃされる。


「ヘアバンとったら幼くなりますね」

「よう言われる」

「かわいい」

「ん…」


軽くキスされる。


「じゃあ、気を取り直して。設定はいまから俺が先輩で、たまたま見つけた可愛い後輩をガンガンに犯すっていうんで頼みます」

お前はAV監督か。あー、明日の部活動けるやろうか。ガンガンに犯す言うとったでこいつ。怖いって思ってる反面、期待しとる。光先輩に犯されんの。



「ネクタイもう1本あるから目隠しもしときましょうか」




もうどうにでもなれや。