12月、ぜんざいが余計に美味しく感じる季節や。学校も部活もないからおれんちでユウジ先輩といちゃいちゃするはずやったのに…。



「なんですかこれは」

「いや…な?」

ユウジ先輩が俺の目の前に紙切れ1枚を出して柄にもなく小さくなっとる。どうやら昨日テストが返ってきたらしい。「28点」と書かれとるテスト用紙。やっぱ3年なったら勉強のハードル上がるんかなって思っとった。やけど…


「1・2年復習問題テスト…」

「…」


テストに目を通せば1、2年で習う問題ばかり。言っちゃ悪いが俺でも分かる。もう冬やで?しかも先輩受験ちゃうんか。


「受験生ですよね?」

「はい」

「なにやってるんですか」

「おっしゃる通りです…」

「で?どうしてほしいんですか」

「勉強…教えてくれ…」

「教えてくれ?」

「っ、…教えてください」

めっちゃおもろい。よっぽど危機感もってるんやろな。ほんまはいちゃいちゃするつもりやったけど予定変更や。







1時間後…






「なんでそうなるんですか」

「…」

「これはこの公式はめたら一発やないですか。さっきも言いましたよね?」

「…おん」

「これで何回目です?脳みそスポンジなんですか?」

「ちょ、さっきからなんやねん!もうちょっと言い方ってもんあるやろ!」

「ほんまのことでしょ」


テストで28点をとった。1・2年の復習問題やから余裕ぶっこいてテスト勉強せずに挑んだらこのありさまや。やから財前に勉強教えてって頼むことにした。さっきから言葉の暴力を受けながらもあるが、ちゃんと分からんポイントとか的確に教えてくれる。こいつ見かけによらずまじで勉強できるからな。これじゃどっちが先輩かわからんわ。


「お前、見た目とギャップありすぎ」

「どういう意味ですか?」

「見た目めっちゃチャラチャラしてんのに、勉強も運動もできるとことか。ギャップやん。かっこいいやん。…なんかズルいわ」

「…」

「な、なんや?」

「先輩、自分で言うといて照れんといてください」

「てっ照れてなんかないわ!」

「でも顔真っ赤」

「〜〜っ!!」


自分で言うて恥ずかしなってもうたわ!でもほんまのことや。生意気で見た目いかついけど勉強も運動もできる、あと意外に照れ屋なとことか。そんで、たまーに俺だけに見せる優しい笑顔とか。あー、俺ほんまにこいつのこと好きやねんなぁ…って改めて感じた。


「やっぱ照れてる」

「しつこいわ!」

「あ、認めた」

「うるさい!もうどうでもええから、はよ続き教えろや!」

「数学の続きもいいですけど…」



ドサッ―…。



「へ?」

「休憩がてら保健体育の授業の復習もしましょうか?もちろん実技で。」

「おいおいおいおい!まてや!」

「まちません」


もう黙ってと言わんばかりに口を塞がれる。頭がくらくらしてきた…。あー、こんなんやったらまた次のテストもやらかすんちゃうか俺。とか、頭の片隅で心配していたが、そんなことは数秒後でどーでもよくなった。ほんまに俺、こいつに惚れてるんやなぁ。


とか、言ったら絶対調子乗るから言ったらへんけどな!














・あとがき

財前くんは「テストまったく勉強してない」とか言っときながらサラリと高得点取る派だと思います。




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