(財ユウ)
「うわ、また増えとるし…」
そう言ってユウジ先輩が俺の耳をつっつく。昨日開けたばっかりやから触られたらちょっと痛い。
「いかしとるでしょ?」
「あほ、耳にバンバン穴開けてるん見てもこっちまで痛くなってくるわ」
「えー」
痛ないんか〜?とか言いながらまた俺の耳に顔を近づけてくる。先輩の息が直でかかってちょっとドキっとする。
「ピアス開けたなったらいつでも言うてくれたら俺が開けたりますよ」
「開けるかハゲ」
「お揃いのピアスつけましょうよ」
「キャラに似合わず乙女思考やな」
まったく失礼な先輩や、俺めっちゃ本気やのに。
「…イヤリングならええで」
「は」
「イヤリングなら痛ないやろ?」
ちょ、イヤリングって…
「ぷっ」
「なんで笑うねん!」
「すいません、可愛いなって…くくっ」「っ〜!」
この先輩のことやから本気で言うたんやろな。ほんまあほや。そんでほんま可愛い。
「ええですよ、イヤリング」
「絶対ばかにしとるやろ〜!」
「してないっすて。いまから買いにいきましょうや」俺は荷物をもって先輩の前を歩き出す。
「え、いまから?」
「そうっす、有言実行ですよ」
「意味わからんわ」
とか言いながら俺の後を追いかけてきてさりげなく俺の手を掴んできた先輩にきゅんとした。ほんま、犬みたいな人やで。さて、どこに買いに行こうか…。
「とりあえず梅田でも行きましょか」
「もちろん電車代出してくれるんやろな」
「電車代くらい自分で出してください」
「あほか、電車代だけでうまい棒何本買えると思っとんねん」
「あーはいはい」
とか、しょーもない会話しながら俺たちは校門を出た。
・あとがき
オチが見当たらず意味不明な文章になってしまったサーセン。
2人は中学生らしく雑貨屋にある315円くらいのイヤリングを買えばいいと思うよ。