※最終話沖矢視点



「・・・ん、」舌を差し入れると花子さんはゆるゆると舌を差し出した。それがなんだか無性に嬉しくてすぐに舌を絡めると、僕の舌の動きにあわせようと必死になっているようだった。
さっき背中を探った時にホックを外しておいた下着の下に手を差し入れて胸の頂を撫でると、花子さんは過剰なほどに反応した。「あっ、ふぁ」僕がホックを外した事にも、下着の下に手を差し入れたことにも気が付かないほどに集中していたらしい。そのまま撫で回していると今度はそっちに集中してしまったようで、舌の動きが鈍くなった。それならこれではどうだと舌を吸い上げて胸の頂を摘んだ。「んん!!」花子さんは目をぎゅっと瞑ってふるふると震えた。なんて感度が良いんだ。まさかこれだけでイってしまうなんて。そう思うと下腹部が熱くなる。

「限界みたいな顔をしてますね・・・今からこれじゃ先が大変だ」

苦笑しながら言うと、花子さんは力なく笑った。
ズボンと下着を下げて腰を撫でると、花子さんは息を呑んで私を見上げた。目が合う。彼女の瞳の中に自分の顔が写っている。しかしそれも一瞬。刹那、切なそうに目を揺らして目を閉じた。この碧の眼を見て複雑に思ったのだろうか。赤井秀一を思い出してしまったのだろうか。同一人物ではあるが、今の自分は沖矢昴。他の男の事を考えて欲しくなくて、僕は花子さんの瞼に柔らかくキスをして囁いた。「目は開けなくてもいい・・・」そのまま唇に口付けを落として服をたくし上げて、花子さんが慌てる前に服を目元まで脱がせてついでに袖で縛った。これで目隠しは完璧だろう。「ねっ、ねえ」抗議の声をあげようと口を開いた花子さんを無視して胸の頂に舌を這わせると「昴さっひゃあん!」過剰に反応して高い嬌声を漏らした。更に僕の下半身に血が巡った。視界が無くなったお陰で感度が増したらしい。「どうしたんです」そのままの体勢でそう言うと、一言ごとに花子さんは体を揺らした。「あぁっ・・・も、もうだめ・・・、限界よ」服を掴まれて言われれば僕ももう理性がもたない。足を開かせて「本当にいいんですか?」と問うと「・・・何を今更・・・」と言う。

「昴さんが、欲しいわ」

その一言は理性を砕くのには十分過ぎた。自分のズボンを脱ぎ捨てて、固くそそり立つ自身をそこに突き立てる。「くっ・・・」狭い。そのうえ、また達したらしい。きゅうきゅうと締めつけるそこに耐え切れなくなりそうで胸の頂に吸い付くと、花子さんは背中を浮かせて嬌声を上げた。きゅっとしまったそこに緩急をつけて律動すると、動くたびに花子さんは声をあげた。ああ、クセになりそうだ。
花子さんの口から飲みきれなくなった唾液が零れているのを見つけて、舌で掬ってそのまま口付けると、耳元で囁く。「クセになってしまいそうですね」敏感になっている花子さんにはそれだけでも性感帯を刺激されるらしい。ふるふると震えて快楽に耐えているようだ。
この様子なら工藤邸に住まわせてもらってからも二人で仲良く過ごせるだろう・・・。FBIの公式プロフィールで『FBI内で唯一赤井秀一を嫌う女』と称されていた彼女の事だから打ち解ける事はないのだろうとは思っていたが、その心配は杞憂に終わった。あの探偵ボウヤの策略には舌を巻く。まさかここまで計算ずくだったか。いや、まあ所詮はボウヤなので大人の関係までは想定外だっただろうが・・・。

「ああああっ!」

そろそろ出したい・・・と思い強く腰を打ち付けると、花子さんが一際大きく声をあげて達する。中の収縮に、もうだめだと思い、自身を引き抜いて腹の上で欲を吐き出した。はあはあと息を乱している花子さんに軽い口付けをして目隠しを解いた。

「無理をさせてしまいましたか?」

服を頭からどけて、額に汗でくっついた前髪をよけてやると、花子さんは赤い顔を更に赤くさせてそっぽを向いた。「・・・そんなことない」再び下半身に血が巡った。「あんなに感じてよがっている花子さんを見られるなんて、思ってもいませんでした」本音だ。花子さんは本気で私を求めてくれた。それがたまらなく嬉しい。「いっ、言わないでよ」目を逸らせていた花子さんが潤んだ瞳で上目遣い気味に見上げてくる。本人は睨んでいるつもりなのだろうが・・・緩みそうになった口元を隠すために手を当てるが、我慢できなくなって咄嗟に口付けた。舌を差し入れて絡めると、さっき果てたばかりなのにもう一度したくなってきた。ちゅっ、とリップ音をさせて唇を離し、「あんまり可愛い事しないでください・・・我慢できなくなる」そう言うと、花子さんはぽかんと私を見詰めた。ああ・・・何と言うことだろう。前までは苦手意識さえ持っていた、あまり係わり合いの無いFBI捜査官の一人だった彼女にこんな感情を抱くようになるなんて。
今思えば、前までのは苦手意識ではなく、ただの憧れだったのかもしれない。他の女性捜査官は俺に好かれようとするあまりしつこくつきまとったりしていたが、彼女はそんな事はしない。仕事はそつなくこなすし、今までは爪を隠していたようだったが、相当頭も切れる。最初に惹かれていたのは自分の方だったのだなと気が付いてふっと笑みを溢すと、もう一度花子さんに口付けてそのまま首筋、鎖骨、胸へと舌を這わせ、二度目を求めた。


end
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