出演
メイン
葉月 朝姫
優花 拓巳
サブ
睦月 美由 優造
美由1「お兄ちゃん、今日のご飯、何がいいですか？」
拓巳1「美由は何食べたいの？」
美由2「えーっと、…オムライス、です…」
拓巳2「ふぅん…じゃあ、それでいいんじゃない？」
美由3「だけど…」
拓巳3「…だけど？」
美由4「…卵がありません
」
拓巳4「…は？」
美由5:番外編、何がどうしてそうなるの？
【街中、まだたくさん人が居る中のざわめいている感じ】
【足音挿入】
拓巳5「…はぁ、なんで俺がついていかないとなんない訳？」
美由6「だ、だって、お父さんが、お兄ちゃん連れていかないと買い物するなって」
【足音止】
【回想】エフェクト付ける
優造1「そうか、買い物に出掛けたい、と」
美由7「は、はい…」
優造2「もう暗い、諦めなさい。美由は女性なのだから」
美由8「だ、だけど……オムライスがライスになります…」
優造3「…ライス？」
美由9「今日、夕食は兄弟三人でオムライスと決めて…オムライス作りたいのですが、材料が足りなくて…」
優造4「ライスでいいじゃないか。私は美由の作ったものは失敗しても食べるつもりだ」
美由10「それは…大変有り難いお言葉なのですが…母様まで、オムライスとおっしゃられて…」
優造5「…幸(さち)もか…仕方ない。外出を許可しよう」
美由11「ありがとうございます…」
優造6「しかし、夜道は暗くて危険だ。拓巳を連れていきなさい」
美由12「お、お兄ちゃんを!?」
優造7「拓巳を連れて行かないなら、今日の夕食はライス。それでいいだろう？」
美由13「…はい、わかりました。行って参ります」
優造8「あぁ、寄り道をするでは無いぞ」
【回想終了】エフェクト止
【足音挿入】
拓巳6「だからって、なんで俺？佑樹(ゆうき)でいいじゃん」
美由14「だけど…ライスに…」
拓巳7「……そもそもなんでオムライスな訳？美由だったら毎回グラタンとかハンバーグとかじゃなかった？」
美由15「そ、それは言えません!!」
拓巳8「…ふぅん、美由。誰がついてこなかったら買い物来れなかったんだっけ？」
美由16「お、お兄ちゃんです」
拓巳9「…帰ろうかな」
美由17「…ごめんなさい。話します」
拓巳10「…まぁ、いいけど。…で、なんでオムライス？」
美由18「そ、それは…」
拓巳11「それは？」
【足音止】
美由19「……睦月君が…今日友達に、オムライス好きだって言ってたので…そ、それで」
拓巳12「……」
美由20「だからお兄ちゃんにいいたくなかったんです…」
拓巳13「…全く」
【足音走挿入】
美由21「わぁっ！！」
拓巳14「ほら、走るよ。お腹空いてんだよ？俺らは」
美由22「は、走ったら更にお腹空いてしまいます!!」
拓巳15「美由の夕食入るように空かせとけばいいんだよ」
美由23「お、お兄ちゃん…」
拓巳16「どうせ俺ら毒味だし」
美由24「…………」
拓巳17「早く買って作りなよ？」
美由24「は、はい！」
【足音走フェードアウト】
【BGM変更、場所転換『学校-中庭』】
美由25「ど、どうですか…睦月君」
睦月1「ん、美味いよ。小村って料理上手いんだな」
美由26「そ、そんな。睦月君に比べたら…」
睦月2「んな、謙遜すんなよ。美味いもんは美味いんだよ」
美由27「…ありがとうございます…」
睦月3「そういえば…拓巳さんが今日遅刻したんだって？」
美由28「……………はい」
睦月4「休まない所が拓巳さんらしいけど、珍しいこともあるんだって思ってさ…風邪でも引いてんのか？拓巳さん」
美由29「あ、いえ…ただの食べ過ぎです…」
睦月5「ふぅん？それでも珍しいけどな。んじゃ、これから仕事だから、またな!!」
美由30「は、はい。ありがとうございました」
睦月6「暇があったらまた作ってくれな？けっこう小村のオムライス好きかもしんねえや」
美由31「ッ！！」
睦月7「…小村？」
美由32「い、いいえ！？あ、ありがとうございました！！で、では失礼します！」【台詞中に立ち上がり、そのまま、走る】
睦月8「足早ッ!?…というよりなんで小村、俺がオムライス好きだって知ってるんだ…？ま、いっか」美由33:お兄ちゃんや、お父さんには感謝しています。お腹壊す位食べさせたのも謝ります…。
だけど…今だけは二人を忘れさせて下さい…
美由34「…睦月君…好きです……」
【場所転換『高等部1-F』】
朝姫1「拓巳、大丈夫か？」
拓巳18「…多分」
葉月1「痩せすぎの体にたくさんご飯食べたら体壊すの当たり前だよ？」
優花1「そもそも何を食べすぎたのよ？」
拓巳19「…オムライス、13皿」
朝姫2「は？」
葉月2「え？」
優花2「なんで？」
【朝姫2、葉月2、優花2は同時】
拓巳20「……毒味」
葉月3「何があったの拓巳ぃいいい!?」【拓巳ぃいいい!?はエコー】
拓巳21:美由…。今度頼まれても絶対しないから…。
美由35「睦月君。他に好きな料理あるのかな…？また、お兄ちゃん達に味見してもらおうっと！」
美由36:私へ小さな勇気を生んでくれた、小さな物語…＿＿＿＿＿