Song.5 1

四季1
「ふーん、威勢が良いのね…。そこまで言うなら条件を出すわ」

四季2(タイトルコール)
空の愛唄 song.5 修復のカルテット

[BGM 夕暮れ]
[SE ドア閉める]

さくら1
「…何で颯は来たんだよ、余計面倒臭くなっただろ」

颯1
「あ?んなこと知るかよ。お前が困ってんだったら実里と和也もつれてきてレコーディングスタジオ殴り込んだっていいんだからさ、んなめんどくさいって言うなよ」

さくら2
「2週間後のストリートライブか…。また歌って盗作されたらどうする?」

[SE 歩く]

颯2
「しねぇよ、日本さんはな。自分からの約束は守る人なんだし」

[SE 走る]

さくら3
「ふーん…。…あれ、和也?どうして家に」

和也1
「さくらと颯!!よかった帰ってきた。[SE 通話する]…………あ、もしもし?二人帰ってきた」

颯3
「…そりゃ、家には帰ってくるわ」

[SE ケータイ閉じる]

和也2
「今実里来るって」

[SE 走る]

颯4
「ふーん。もう実里は大丈夫なのか?」

和也3
「うん、作詞してるよ。多分半日くらい籠ってるから1つくらい完成してるんじゃないかな」

実里1
「二人ともお帰りー!!夕方くらいに戻ってきて良かった」

さくら4
「…実里。その、…ごめんな意地張って」

実里2
「さくらが意地っ張りなのはいつものことだよ。…こっちこそ、意地張ってごめんね?」

さくら5
「聞き捨てならないこと言うんだね。…そんな実里にお願いがある。和也も、颯もだ」

和也4
「…うん?何かな?」

颯5
「…あぁ、言ってみろよ」

さくら6
「2週間後のライブに出ることになった。四人で作った曲の著作権をかけて。きっと空の愛唄では出れないから、新曲で挑みたいんだ」

和也5
「…わかった。じゃあ、今日から俺の部屋だね」

実里3
「作詞ならいつでも任せてよ!また皆で作って、この曲でわからせてあげようよ!……だから、さくら。一人でやろうとしないで!」

[BGM 夕暮れ2]

颯6
「だってさ。んじゃあ新曲制作開始だな!」

実里4
「一杯出来たんだけど、どの作詞がいいかな〜?いつの間にか外暗くなっててビックリしたけど…」

和也6
「え!?実里の割りにペース早いね」

実里5
「何それ!だってすっごくインスピレーションが働いたんだもん!」

颯7
「あーはいはい。まずは皆で見てから決めるぞ」

実里6
「全部オススメだから、全部きちんと見てよね!!」

さくら7
(仲直りが出来て良かったという安心感で、私は3人のやり取りを微笑ましく見ていた。……あっという間に月日は経ち、ライブ当日を迎えることになりました)


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