Song.3 1

[SE ブラインドカーテン]

四季1
「…あら。二人できたのね…春賀さくらに…夏生君ね。
[SE パンプス→ケータイ通話]……受付課かしら。事務所の前の子供二人を私の部屋までお願い」

実里2(タイトルコール)
空の愛唄song.3。変拍子のワルツ

[BGM 朝]

颯1
「プロダクションシーズン…か」

さくら1
「一人で来るはずだったんだけど…。まぁ、一人だったら面倒臭いから来ないけど」

颯2
「んな面倒臭いって…」

[SE パンプス]

さくら2
「…誰か来たよ」

女A1
「社長がお待ちです。御案内致します」

さくら3
「……お願いします」

[BGM F.O]
[SE 扉開ける]

女A2
「失礼します、仰った通りに連れてきました」

四季2
「ありがとう。席を外して頂戴」

女A3
「かしこまりました、失礼します」

[SE 扉閉める]
[BGM ピアノ]

四季3
「ようこそ、プロダクションシーズンへ。春賀さくらに…夏生君?」

颯3
「よう、クソ野郎」

[SE パイプ椅子軋み]

四季4
「なっ!?大層なことね…、たった数年で口生意気になって」

颯4
「あんたも変わらないな。お金の為になら何にでも手を出す所」

さくら4
「…颯の知り合いか?」

颯5
「っというか、和也の親」

さくら5
「……って、は!?親だって!?けど和也の母親」

四季5
「私の話なんてどうでもいいのよ。それで、何か用かしら」

[SE 紙こすれ]

さくら6
「書類に日付指定したのあんただろうが」

四季6
「まぁ、確かにそうね。…取り引きよ、わかるわよね?例の曲の著作の件よ……[SE 紙置く]小切手渡すから好きな金額書きな」

さくら7
「金。だって?」

[SE パイプ椅子回す]

四季7
「そうよ。お金ならいくらでもあげるわよ、もうあの曲は発表しちゃったし。だからこうやって言ってるんじゃない、貴方がソロデビューもしたら、曲は返すと」

颯6
「…ふーん。……だってさ、さくら」

さくら8
「…私はソロデビューなんかしない」

四季8
「じゃあ、著作はそのままSkyにしておくわ。…お金もいらないんでしょ?」

さくら9
「……何でそうなるんだよ」

四季9
「何がかしら?貴方にもいい話よね。まぁ、Skyが作ったことになったけど…作曲の才能があるっていうことなんだから」

[SE 机を叩く]

さくら10
「放っておいてくれないかな!あんたたちにはわからないんだよ!!皆で作り上げた唄を…勝手に自分のものかのように触れられた時の気持ちなんかをね!何が1から手掛けただよ、ふざけんな」

さくら11
(悔しかった。全てお金に繋げられることが。そうして、啖呵を切ってしまった今、私は自分を貫き通すことを決めたのです)



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