小春日和旅日記1
SE:小鳥の囀り
紫槞1「黄乃さんっ。おはようございます〜!………やっぱり起きない」
黄乃1「ん〜……」
紫槞2「早く行かないと、橙果さんに怒られますよ?」
黄乃2「やぁだ〜……後24じか、ん…寝たい……」
紫槞3「だ、だからそんなこと言ってられませんから!昨日約束したでしょう!」
黄乃3「紫槞くん……、まだ眠たいですよ〜……」
紫槞4「だーかーら!」
黄乃4「わかりましたよ〜、…………どうして橙果ちゃんは桜を見たいんだろうね」
紫槞5「……でしょうね」
【BGM:弾んだ曲フェードイン】
橙果1「ふんふ〜ん♪るんたった!るんたった!」
純1「橙果、ご機嫌なのはいいがあんまりはしゃぐなよ?」
橙果2「はーい!」
純2「言ってるそばからはしゃいでるな……」
翠1「ま、いんじゃねーの?橙果自身が行きたがってたんだし」
瑞葵1「…………」
翠2「行きたくなかったら行かなければよかったのに」
瑞葵2「……違うから、別に暇だったしついて来ただけ」
翠3「ふーん?」
純3:…………ホントに無事に行けるのか?
瑞葵3「なんか、ファッション系のが多いね、此処」
橙果3「ホントだね〜!ちょっと寄って行こっ!」
純4「それなら30分くらいフリーにするか」
翠4「そうだなっ!んじゃ、解散!」
【BGM:フェードアウト】
ME:足音
瑞葵4「……全く、皆すぐにどっかに行くんだから…………目的を忘れてて大丈夫なのか…」
女1「あら、貴女凄く着物が似合うわねっ!」
純5「えっ!?いや、あの……」
ME:足音止
瑞葵5「…………純さん?だよね、あの着物の人」
ME:足音フェードイン
瑞葵6:どーせ暇だし、純さんでもからかいに……
女2「そうだわっ!もし、よかったら貴女にこれを…」
純6「っ!?これっ!」
女3「私のお手製で悪いのだけど、貴女には似合うと思って」
純7「ちょっ!?まじっすか?こんなに綺麗な鴇の刺繍レアだよっ!?い、いい頂いても宜しくてっ?」
女4「え、え、えぇ…如何かしら?」
純8「わぁー!ありがとうございますっ!また来てもいいですか〜?」
女5「えぇ、お待ちしてます」
純9「わーいっ!ではでは、また来まーす!」
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BGM:楽しい曲
瑞葵7「純さん?」
純10「みっっっずき!?な、なななんで…こんな………あははぁ〜☆」
瑞葵8「純さん…?きも、の…?というより、顔が有り得ないくらい逝ってますよ!?」
純11「だってだって〜、こんなに綺麗な着物をもらったんだよ〜、そりゃ顔もゆるゆるの、にやりんぱだよっ!」
瑞葵9「は、はぁ……。というより口調が黄乃みたいになってるよ」
純12「鴇だなんてねっ!他の織物も大変なんだけど鴇は特に難しくてねっ。私もなかなか上手く出来なくて困ってるんだから!」
瑞葵10「……作ってるんですか、純さん」
純13「うんっ♪」
BGM:止
瑞葵11「…………」
純14「?どうしたの?瑞葵?」
瑞葵12「……今まで純さんの弱点知らなかったけど、」
純15「へ?」
瑞葵13「なるほどねぇ〜……」
純16「っっ!や、やばい……瑞葵だけには知られないように警戒してたのにっ!」
瑞葵14「うんっ♪…とか、ホントに可愛かったよ?純さん着物マニアバージョン」
純17「真似をするなぁっ!」
BGM:オルゴールフェードイン
橙果4「あぁ!純ちゃん発見!」
翠5「あ、お前も居たのか瑞葵」
黄乃5「純さんの着物姿可愛いです〜!」
紫槞6「素敵な織物も…どうしたんですか?」
純18「あぁ、いただいてな…だけどこれは」
瑞葵15「新しい純さん発見!」
純19「…………どうしようか悩んでいるんだ、見た所これはどちらかと言えば鑑賞用の着物みたいだが……」
橙果5「純ちゃん、詳しいねっ!」
翠6「へぇ、結構何かに打ち込むお前初めて見たかもな」
黄乃6「いつからそーいうの興味持っていたのですか〜?」
紫槞7「今度、詳しく教えてくださいねっ!」
純20「皆………」
BGM:止
橙果6「いい一面見れたしっ!」
純21「……………は?」
翠7「そーだよなぁ〜」
紫槞8「始めから言ってもらえればもっと前に素敵な純さんを見れたわけですよね」
純22「何がだ?」
黄乃7「うんっ♪って言っている純さん、可愛かったです」
純23「……………あ゛?」
BGM:楽しい曲
黄乃8「いつもしっかり者の純さんがいきなり可愛くなると、そうなるんだね〜」
橙果7「そーそー!太ってなくていいねっ!痩せてる訳でも無いけど」
純24「容赦無いな、橙果」
橙果8「え?だけど餌を欲しがる犬のように可愛かったよっ!」
純25「……橙果」
橙果9「ん?僕に用事?」
純26「始めに言ったよな……はしゃぐなよと」
橙果10「うんっ♪」
純27「っっ!?……もう、そのネタはやめろっ!」
翠8「可愛かったな、うんっ♪」
瑞葵16「今回は翠と同じ意見。うんっ♪」
黄乃9「帰ったらまたその着物着てくださいねっ!純さん」
紫槞9「……それより、その着物は男性ものみたいですね。……純さんが着るのですか?」
BGM:明るい曲
純28「あ、…………………ニヤリッ」
SE:キラリン
紫槞10「……純、さん?……あ、あの俺」
純29「紫槞……お前、着物着ろ!!お前が着たら萌えるっ!」
紫槞11「じ、純さん…?」
SE:足音×2
紫槞12「だ、だから純さん、ダメですよっ!?」
純30「あははっ、紫槞〜みたいな〜びしょーねんが〜着ると〜♪それは〜、それは〜♪素敵な萌えポイント〜♪」
紫槞13「純さん正気に戻ってくださーーーいっ!」
橙果11「楽しそうだねっ!純ちゃん!」
翠9「まぁな、それはそれで凄いやつだけどな…」
黄乃10「瑞葵くん、……宿はここの近くで予約したんですよね?」
瑞葵17「うん、だからまだ騒いでて大丈夫だよ」
BGM:フェードアウト
BGM:優しい感じの曲
SE:蛙の鳴き声
瑞葵18「まさか、純さんが着物マニアだなんてね〜……」
純31「うるさいなっ!まだその話を続けるのか!」
瑞葵19「いや、何て言うか、……今の内に聴いておこうかと」
純32「は?着物の着付けか?」
瑞葵20「いや〜?着物の解きかたっ!」
純33「あ゛?なんでそんなこと」
瑞葵21「今ね〜純さんが俺の中で一番セクハラしたい人なんだよね〜」
純34「なっ!瑞葵お前!セクハラ魔かっ!?」
瑞葵22「意外とスタイル良いよね、純さん……いつもダボダボスタイルだから、たまにはそーいうの着ればいーのに」
純35「お前にセクハラされるくらいならいつも通りがいーな、うん」
瑞葵23「…つまらないな。…………さて、と。明日も早いみたいだから早く寝た方がいいよ」
純36「……そうだな、明日はもっと北に行くからな、暖かくして寝るとするか」
SE:足音フェードアウト
純37:旅日記一日目。某ファッション系店舗街にて私は着物を頂く。皆に私の趣味がばれてしまったが、……ばれてもよかったと思った。
……皆に認められているみたいで、嬉しかったな。
……さて、と。明日は一気に電車で移動するらしい。早めに寝るとする。
純38「……ありがとう、皆」