あー今日も充実した1日だったなぁ。

動物もみーんな健康だし、大量の収穫に、大量のお金。

ここにきてもう幾年。
年々うまい具合に事が進んで、ここに行き着いてよかったなぁってつくづく思うの。

「おつかれ、クレア」

声をかけられはっとする。
幸せに浸りすぎて、我忘れていたようだった。

目の前には温かいココア。
甘い香りだけでもうそそられちゃう。

「なに考えてたの?随分嬉しそうな顔して呆けてたけど」

マグカップを口につけ、彼の言葉に耳を傾ける。
そんなににやけてたのかしら、私。そんな姿をみられたのが無償に恥ずかしくなる。

「ここにきて、よかったなぁって噛み締めてたの」

私がそう言えば、にこりと微笑む彼。

その笑顔とココアで、身も心も温かくなる。

「あ、そうだ!」

ふと思いだし、まだからったままのリュックサックからノートを取り出す。
もう、これもそろそろ変え時ね。
ボロボロになったそれは、私の頑張った証だ。

「じゃーん!これまでの貯金です」

結婚して、うんん、その前からも一度も見せたことなんてなかった、私の家計簿。

反応は分かってた。
目を丸くして固まり、絶句するのは間違いないって。

ほらね、案の定そうなってる。

「これだけ貯めたから、明日から働くの辞めます」

「えっ?」

さらに驚いた顔をした彼がおかしくてしかたない。

訂正、働くのを抑えます。

そう言い直しても、彼は固まったまま。
私が仕事大好きなことしってるから、びっくりしてるんだろうな。なんでこんなこと言い出したか、検討もつかないんだろう。

「ほんとは働きたいのは山々なんだけどね、家族増えることになったから仕方ないの。ドクターストップかかっちゃって……」

「ちょっとまって、今さらっと重大なこと言ったでしょ」

勢いよく立ち上がるものだから、バタン!と大きな音をたてて椅子が倒れた。
思わず首をすくめる私とは対照的に
、彼は音が聞こえちゃいないのか、口を押さえ、目を泳がしてる。

この反応は予想外。
いや、驚くとは思ってたんだけど、まさか目に涙を溜めるほどとは……。

「パパとママになります、私たち」

言い終わるかそうでないかの時には、彼の腕の中にいた。
優しくて、温かくて、凄く幸せ。

「もっともっと、頑張るよ。二人をもっと幸せにする」

「あなたも、でしょ?」

そう言って微笑み合えば、自然と互いの瞳は閉じられる。

ああ、ホントにもっと幸せになっていいのかしら?

そう思いながら、身を委ねようとしたその時だった。
呆けすぎて大事なこと忘れてた!!

「ちょ、ちょっとまって!」

「え!?どうしたの?」

慌てる私に、さらに慌てる彼。
せっかくのいいムードの時にごめんね、でもこれも私の幸せだから。

「ただいま」

プッと吹き出し笑う彼。
ああ、それかと思ったのだろうか。なら、私がほしいのも分かるわよね?

「おかえり」

そう言って微笑む彼。

帰る場所がある。
それが私の一番の幸せ。








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相変わらず亀ですが、まだまだ書きたいことあるので、ひっそり更新していくので、よろしくお願いします。

※さーて、彼とは誰でしょうかw?←









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