それは鮮やかな春の朝日のように、鮮烈で、衝撃で、自分にとっての日常や常識が覆る程の出会いだった、と折原臨也は自負している。それ程までに、彼、――平和島静雄との出会いは臨也にとって衝撃的だった。人が人形のように、物が体積を無視するように宙を舞う。彼が人間ならば、自分は一体なんなのだろうと思うくらいには、平和島静雄は異質で、異常そのものだったから。

 静雄は普段は物静かな少年だった。というよりも喧嘩人形としての噂が広まっているからか、静雄に積極的に近づこうとする人間がいなかったと言った方が正しい。平和島静雄に近づいたら自分もどうなるかわからない、そういった先入観からか、それとも事実からかは定かではないが、静雄は一学期が半分を過ぎた頃にも、基本的には一人で過ごしていた。果敢にも声をかけるのは、そういった噂を知っていようが関係なく人に接する世話焼きの物好きくらいだ。そして、彼に異様な興味を示している折原臨也。

 静雄は、もう何度目かになるか分からない溜息を吐いた。生まれもってしまったモノは致し方ない。ならばせめて平穏に過ごしたいだけであったのに、それを許さないと言わんばかりに臨也は静雄の領域に入り込んでいった。怒りの沸点が人より低い静雄は付きまとう臨也を鬱陶しく思い、邪険にしていた。それこそ喧嘩と言うには生易しく、戦争と呼ぶにも生ぬるい関係。実際、臨也自体も静雄程ではないが一筋縄ではいかない人物だった。そして自分の興味に対する執着は凄まじく、それこそ静雄は一体自分に何の恨みがあるのかと聞きたいくらいだった。


 そう、いつだったかに静雄は臨也に聞いたのだ。どうして自分の事を構う、そっとしておいてくれれば、お前に対して何もすることはないというのに、どうしてと。




 ――そんなの決まってるじゃん。だって、俺は










こんな感じで始まる空の境界パロ
(※行間は実際とは異なります)