・10巻よんでうわああああああってなった結果
・本編全く関係ない








「何で、てめぇがここに居やがる」

「…………社会科見学かな?」



器物破損。警察による事情聴取、嫌ではあったが自分にも非があると任意同行に応じた静雄が通された部屋には、およそ警察には全く関係ないはずの折原臨也が待ち構えていた。
にやにやと表情は変わらないのが気持ち悪い。殴り飛ばすかそれとも目の前の机を投げつけるか、苛々しながらも如何にして目の前の害虫を駆除するかを考えている静雄に臨也は自分の立場を知らしめるかのように、まるで舞台役者のように仰々しく静雄に告げた。



「シズちゃん、君はどうやら自分の立場が分かっていないようだね」

「立場なんざどうでもいい、殴らせろ」

「弟君、映画デビューだっけ、しかも主役」



凄いね、そう笑う臨也にピクリ、と静雄の動きが止まる。それに対して満足気に頷く臨也はスキャンダルって一番怖いよねぇ、今はマスコミだけじゃなくてネットでもどんどん広まるから、とどこまでもにこやかに話す。従ってやる義理はないけれど、こいつならきっと幽に有りもしない罪を被せるくらいするだろう。まさに今、俺にそうしているように。家族に迷惑をかけるのだけは嫌だった。
臨也の言う通りにするのは癪だけど、言うことを聞かない以外の選択肢はない。どうすればいい、と聞けばその四肢を手錠で繋がれる。本気を出せばこんな手錠なんて簡単に壊せるが、恐らくは気分の問題なんだろう。殴られるか蹴られるか、刺されるか、色々な可能性を巡らせたが、そのどれも当てはまらない。臨也が静雄のベルトに手をかけたからだ。



「何を、し、」

「池袋の喧嘩人形をダッチワイフにしたら面白いかなって」



あの平和島静雄の厭らしい姿! とかAVみたいで興奮するでしょ? 何処までも下卑た笑いを臨也は向ける。純粋に楽しんでいるように笑っていて気持ち悪い。何が悲しくて自分の下半身を他人、それも殺意を向けた相手に晒さなくてはいけないんだ。不条理な現状に苛立ちよりも羞恥が先回る、見られている、臨也が、俺の、俺の。訳の分からない羞恥が快感に変わるけれど決してそんな性癖はないはずだ。なのにどうして。



「あは、シズちゃんのその顔良い、ちゃんと録ってあげるから、可愛く啼くんだよ」

「は、…… ――ッ! あ、ひ」

「いくらで売れるかなぁこれ、イケない事情聴取とかどう? ははっ、安いAVみたいだ」



ねえシズちゃん、聞いてる?
臨也は先端に取り付けたローターを動かしながら今日の天気を聞くように話す。静雄の下半身は全て暴かれ、本来使う筈のない場所に使う筈のない物が挿入されている。無機質に振動を繰り返すそれは、自分が使われる側ではないという知識はあったのに。



「うわぁぐちゃぐちゃ、シズちゃんてそういえば童貞なの?」

「あ、っざ、け……ひっ」

「事情聴取なんだから容疑者はちゃんと答えてよ」



そのままぐりぐり、と動かされれば一気に射精感が込み上げてくる。ヤバい、このままじゃ、イく。天敵による屈辱よりも目先の強制的に与えられる快楽が勝っている静雄には、女のような嬌声を上げることしか出来ない。それを満足そうに眺めながら、あと少しで絶頂を迎えるその寸前を見計らい、全てのスイッチを切った。



「さてシズちゃん」

「あ、…………んぁ………」



ぬぷぬぷと厭らしい音と共に挿されていた無機物を抜き取る。ぎゅうぎゅうと締め付けるせいで上手く抜きとれない。ついでに何度か抜き挿しをしてやれば快楽に負けた獣は盛大に喘ぎ、堪えきれずに射精した。
上出来だ、臨也は今日一番の満足気な顔を見せ、自分のスラックスを寛げ、呆然とする静雄の顔に欲望を放つ。焦点の合わない静雄を見詰めながら、臨也は嬉しそうに笑った。



「次はコレ、ぶちこんであげるね」












取り調べごっこ
(その罪は、)