廊下へ出て周りを見回すベルは、カノンの分身であるトウヤを探していた

彼女はトウヤを分身と言っていたが、過言ではない。

双子の片割れであり、男女なのにも関わらずまるで一卵性かのように顔はそっくりだ。お互いが髪型を変え、服装も交換してしまえば入れ替わっていることは、誰も気付かないだろう

違うところと言えば、カノンの方が睫毛は少し長く、特徴的な癖っ毛は母親ゆずりだ。一方トウヤは髪の色が母親ゆずりで、声がカノンより低い。
二人の母親とは顔馴染みだが、父親は会ったことがない。所謂転勤族らしい

あんな美人なお母さん放っておくなんて…