ウィークリーガール
おもひで-1/4

――食後、リナリーに案内され、着いた先は両親と寝泊まりに使い、母方の自室でもあった部屋だった。


『懐かしい…』

幼少期に描いていた両親の似顔絵、持っていないと寝られなかったタオルケット、両親の残したアルバム等、全てがそのまま残っている

『思い出して辛いと感じたから、捨てても構わないと言ったのに…』

今では愛しさしか感じられない


「皆もね、捨てようと思ったのよ。でも、やっぱり捨てきれなくて…」


母は聡明なエクソシストであった。元帥でなくとも、代わりに指揮を執る事が出来るほど優秀な人物だったと聞く。
一方、父は勇敢なファインダーであった。周りからの人望も厚く、彼が向かった任務は必ず達成することが出来たという。

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パラパラとアルバムを見る

『――うん。捨てなくてよかった、わね』

本心からそう思えた
暖かい感情が、心を満たしていく

「ふふ、そう言って貰えると嬉しい……っ………!」

アルバムから目を離し、リナリーの方を見れば、ぽろぽろと涙が溢れていた。

ぎょっとして彼女に近寄る
『ちょ、ちょっと?なんでアンタが泣くのよ!?』


ポシェットからハンカチを取り、泣き出した少女の涙を拭っていく

「あ、あはは…変よね」
『…まぁ、変ね。どうしたのよ急に。――――あ』


そうだ、彼女も自分と同じく幼い頃に両親を亡くしていたのだ
しかも彼女はたった一人の家族であるコムイとの間を引き裂かれ、再会するまでずっとイノセンスの適合者として、廃人寸前まで軟禁されていた 

家族とのアルバムは愚か、記憶すらほとんど無いに等しいだろう

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