神、恋し幻想
この世界が好きだった。
「お願い、です。私の、傍にいてください」
『……。』
この世界が、ずっと続くと思ってた
「約束、したじゃないですか」
『日本…ううん、菊、』
どうしてこうなってしまったのだろう
このまま、傍にいれると
「それなのに、貴女は…名無子は」
『菊!!』
思っていたのに。
「…愛して、います。
愛してるんです、貴女を」
『…それだけじゃ、ダメなんだよ』
仕方ないの。
人々は私たちの存在を信じなくなってしまった。
彼等は自分たちの発展を願い、私たちは手助けをし続けた
私たちを、信じ、頼ってくれた。なのに、彼等はソレを自分たちの力だと主張し始め、私たちのことを幻想だ、妄想だなんて言って、消し去って。
いつのまにか、私たちのことなど忘れて……
菊が私の手を握る。
菊の手が、私の手から透けて見える。
「でもっ…愛せずには、いられないのです!」
力強く抱きしめられたような気がした。
『私…だって…ずっといたいよ、けど…』
もう、感覚がない。
姿を維持することも、間々ならない。
あのね、菊。 菊が、菊だけが私のことを信じてくれたから、みんながいなくなっても、私だけここにいられたんだよ
<あい、し て …る>
わたしのこえはきこえますか?
一つキスをして、恋は…命は終わりを告げた。
神、恋し幻想
(私は私として存在していたはずなのに、幻想へと成り下がるなんて!)
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まじイミフ
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