sacrifice
性描写を含みます。
あれから数日経って俺は田中さんと付き合いだした。だがそれからの忍足の態度がなんだか無性に腹が立つ。
俺を見るとあからさまに目を逸らすし、俺と関わりを持たないようにしているのが明らかに見て取れて腹が立つ。
とりあえず腹が立つ。
俺に彼女が出来たことが気に入らないのか。でもそれは俺の勝手だ。
やり場のない怒りを鎮めようと俺は田中さんと屋上で授業をサボることにした。
「授業サボったら怒られるで」
「いいじゃん、べつに」
ムカつくムカつく。
なんでこんなに腹が立つのか分からないが、とりあえずムカつくのだ。
「田中さん、」
「付き合っとるのに…」
「あー、真美ちゃん」
「なに?」
正直名前なんて興味ないんだ。田中さんでいいじゃん。そう言ったら泣くのかな。
そう思いながら、田中さんにキスした。
「んっ…」
前戯なんてどうでもいい。ただこの怒りを鎮めたい。
そんなどす黒い感情のままに田中さんの口内を犯していく。俺の舌や唇が動く度に惚けていく田中さんの目が欲情的だ。
「奈月くんって、キス上手なんやね」
甘い声でそんな感想を述べた田中さんは無視して、制服を剥いでいく。やりにくい制服、なんて思いながら満更でもないのか抵抗しない田中さんを下着姿にして、冷たいコンクリートの壁に押さえつけた。
「奈月くん、優しくして?」
「…余裕があったら」
可愛い可愛い彼女ではあるが、苛ついているからか優しくなんてしてやるつもりは微塵もなかった。いつもならゆっくり楽しむものの、今日はだいたいの愛撫をすっ飛ばしていきなりパンツだけを脱がし秘穴に指を入れた。
「いっ!」
まだ濡れていないそこにいきなり異物を入れられて痛かったのだろう。田中さんは眉を顰め短い悲鳴を上げた。だが俺は構わず指の抜き差しを始めた。
「っあ、あぁ、」
段々と快楽が芽生えてきたのか少しずつ濡れてきたそこに1本指を増やす。奥を押すように突くと気持ちいいのか喘ぎ声が次第に大きくなる。
「んあっ、奈月…くんっ」
ある程度感度が良くなったところで、俺はベルトを外し硬い肉棒を取り出した。待って、なんて言っている声は完全無視だ。早々に田中さんの中にねじ込む。まだ狭く全て入らないうちからピストンすると、徐々に滑りがよくなり全てを飲み込んだ。田中さんを抱え込むようにすると重力で更に奥まで届いて、俺的には最高だった。最も田中さんは目に涙を浮かべていたが、気にしてはいられない。
「ああっ!ひぃっ、」
腰を掴んで突き上げる度に悲鳴のような喘ぎ声あげる田中さんに、俺はやっと気分が良くなってきて苛立ちを忘れ始めていた。
ピストンしながらではあるものの、すっ飛ばした分の前戯を今してやろうかなんてことを考えるほど気分は上々だったのに。
ガチャッと音がした。こんな時間にこの屋上に人が来るわけないのに誰だ、邪魔する奴は。なんてすぐ傍の出入り口を見やった。
その瞬間、また沸々と怒りが沸いてきた。
「きゃっ」
慌てて腕で身体を隠そうとする田中さんさえもうざったく思えるほどだ。なんでよりによってお前がいるんだよ、
「…忍足」
俺が名前を呼ぶと、呆然と立ち尽くしていた忍足は我に返ったのかはっとして踵を返し出て行った。見間違えなどではない。忍足の目に涙が見えたのは……、
「くそ…っ」
見られたことに焦って制服を手繰り寄せようとする田中さんの腕を掴んで、強く突き上げる。不意打ちだったからか、甲高い声が響いた。
「奈月くんっ」
「うるせぇよ」
ムカつく、ムカつく、ムカつく
なんで泣いてたんだよ。意味わかんねぇ。つか、忍足がどうなろうと俺には関係ない。なのにさっきの顔が焼き付いて離れない。
ムカつく、
その日はその後の授業には一切出ず、田中さんが気を失って俺の精液が出なくなるまでひたすらに犯し続けた。
sacrifice
(余計に自分の首を絞めて)
title by たとえば僕が
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