飼い主と非常食 | ナノ
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ちびっこを着替えさせたわけですが。ははは、食材を買ってきてどうすんねん!っていうツッコミを過去の自分に全力でしたい。わたし料理も味見もできねえじゃん。

「おーい、ちびー」

ちびじゃねえ、と言いつつ寄ってくるちび。服似合ってるね!わたしの目に狂いはなかった。サイズ少し大きいがな。大は小を兼ねるって言うし。やや肩が出てるくらい大した問題じゃないさ。

「ねえ、料理できたりしない?」
「しない」

速答。でーすーよーねー。どうしましょう。さっきからちびのお前料理も出来ねえのかよ使えねえな的な視線がビシバシ。まだ短い時間しか一緒にいないけど、こいつならこれくらい思っててもおかしくないんじゃないか。わたし的他人分析である。

「お前、りょうりもできねえのかよ」

とりあえず殴っといた。



大丈夫ググりながらやればなんとか出来るさ精神で米を炊くところまでなんとか達成してやったぜ。炊飯器なんかないから鍋だけど。基本的な料理器具ぐらいならかろうじで揃っておりまする。ちなみに全く料理したことがないわけでもないぞ。一応過去に一、二回ある。

…ところで、弱火ってどんぐらい?

***

悪戦苦闘すること一時間半。どうだこんな感じだろう!大サービスでよそってやって、テーブルに並べる。こいつ、箸使えるのかなあ。とりあえずフォークでいいだろ。

「よし、食べたまえ!」

「……」

どうしたちびっこ、凄い顔だぞ。やだなー見た目くらい気にしないでよー。腹の中に入れちゃえば一緒だって。味の保証はしないけど。
あ、食べた。

「まずい」うっせえ知ってるわ。

やっぱ慣れないことなんてすりもんじゃないッスね。料理スキルなんて要らないよもう。どうせ家じゃ食べないんだし。

「別に無理して食べなくてもいいけど」

そう声を掛けても食べ続けるちみっこ。まずいんじゃなかったのかなあ。そんな腹減ってたんか。机に向かい合って座っているので、食事風景を凝視してみる。なかなか綺麗に食べるね。

そして。完食しやがった。もはや何故だ。

「はじめて、じぶんのための食い物だった」
だから食べたっていうのかよ。なんだよそれ。ばかじゃないの。

「ごちそうさま」

なんなんだよ、もう。