飼い主と非常食 | ナノ
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ペットに無理やり服を着せる悪趣味な性癖はないし、別に家畜に洋服なんてものは必要ないと思ってはいたが、ちびのシャツワンピース姿を見て、パンツがないのは流石に嫌だなと思い至った。

「今から出かけるけど、この家のものにいっさい触るなよ。任務は大人しく留守番することである」
「イエッサー!」

なんてノリのいい返事をちびっこがしてくれるわけもなく、もはや定型文となっているちびじゃない発言をされた。

「ところで身長いくつ?」

睨まれた。親にも睨まれたことないのに。多分嘘だけど。やれやれ、そこまで身長がコンプレックスか。仕方ないのでその辺にあったメジャーで適当に測った。


***


パンツと、どうせなのでついでに服と、生活用品、ちびっこのためにわざわざ買ってきた食料品を持って家に帰る。わたし優しい。親切すぎるだろ。ペット愛激しい。ちょっとくらい美味しいもの食べても文句言われないんじゃないかな。まあ、流石に冗談だけど。

「ただいまー」

……返事がない。ただの屍のようだ。ペットへの愛が増せば増すほどペットの態度は冷たくなるんですか。ペットじゃなくて非常食だけど。なんとなくむかついたからソファに座ってたちびっこに拳骨を落としてやった。

「ただいまの返事は、おかえりって言うんだよ?わかります?」
「……おかえり」
「敬語使え」

その言葉と共にもう一発殴っておいた。動物愛護団体に訴えられるかもしれない。その時は口封じのために非常食の本領を発揮していただこうと思う。