飼い主と非常食 | ナノ
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ちびが来てから数日経った。コンビニ飯よりスーパーのお惣菜の方が安いと気づいて買ってきた日のこと。

「強くなりたい、だって?」

食べながらちびっこがそんなことを言ってきた。ちなみに相変わらず向かい合って座っている私は何も食べていない。ちょっと前になにか食べないのかと聞かれたから、未来人とはそういうものなのだよって答えておいた。この発言の中から嘘を探せ!むしろ真実を探すほうが難しい!
で、なんだっけ。あ、強くなりたいんだっけ。

「そうかい。頑張ってね」
「お前、つよいんだろ」

何故分かった。じゃなくて。

「私はか弱いお姉さんですよ?」

いかにも弱そうな笑顔を浮かべてきゅるんと言ってみた。いかにも弱そうな笑顔ってなんなのかは知らないけどね!

「一撃でひとを気絶させるやつをみらいではか弱いって言うのか」
「モチロンサ!」

親指を立てて言ってみる。わたくしか弱い。殺し合いなんて出来ませんのよ。

「なら安心しろ。俺のいた時代ではか弱くない」

そういえば今更だけど、ちびがこの世界の歴史についてを調べたら終わるね!そのときには隠蔽された歴史とかなんとかって誤魔化すけど。でもだったらなんで私が知ってるんだよっていう疑問も生じるよねー。よって、歴史は絶対に調べられないようにせねば。

「だから、相手になってくれ」

え、なんの?全然話聞いてなかったぜ。まあでもさっきからの話の流れからしてめんどくさいものであるのは間違えないのでお断りしませう。

「だが断」
「うだうだ言ってんじゃねえ」

200mlの、ストローを刺すタイプのパックの野菜ジュースをおでこに向かって投げつけられた。つい気が緩んで叩き落とせなかった。これは問題だ。もし投げつけられたものが包丁だとしたら。
一切傷つかない私をこいつは不審に思うだろう。
まだお腹も空いていないのに。つい二週間くらい前に食べたばかりなのだから。つまり。どういうことかと言うと。

「上等だチビが。表出ろや」

その生意気な精神叩き直してやんよ。