K/e/e/p/o/u/t



※卑猥な言葉があったりします


俺の首には革製の首輪。何がしたいんだよ本当。オマケに頭には髪と似た色の……所謂、猫耳?っつっていいのか、それと腰に尻尾。尻尾ってこんな微妙な位置から生えるんだな、勉強になった。いやそんな事は言っていられない。朝起きたらこうなっていて、しかもミスティに割り当てられている部屋の床に寝ていたのだ。
呑気に茶を飲んでやがるミスティを睨むと、ミスティはやんわりと笑った。

「なにかしら」

「なにかしら。じゃねェよ、なんなんだよこれはよ…!」

「あらあら、可愛いらしい猫さんね」

「……このっ…!!」

またも呑気に、優雅に茶を飲むミスティにムカついてミスティに飛び掛かろうとした。が、首輪に繋がった鎖にぐんと首が引かれて喉が圧迫されて終わる。鎖は後ろの柱に繋がっていた。

「…気に入らないのかしら?」

「当たり前だろうがっ…くそ…!」

「折角似合っているのに、残念だわ」

「治せ!」

「無理よ。まあ…明日になれば治るけれど…」

そう言ってミスティは笑う。ミスティにこういう事をされるのは初めてではない。以前は着替えに用意しておいた俺の服を際どいミニスカ服に変えて置かれたり、寝ている間に化粧されていたり、珍しく紅茶を淹れて貰ったらなんかとんでもない薬を入れられていて…ああその後は思い出したくない。とにかく俺をいじるのが好きなんだ。
そうして毎回ミスティは言う。

「ついイジメてしまうのよ。貴方、可愛いから」

酷く頭が痛い。何がイジメてしまう、だ。それにしても今回のは酷い。首に縄付けられた事はあるが(あれはほぼ監禁だった)、まさかこんな…耳やら尻尾やらを生やされるとは。しかもちゃんと感情に従って動く仕様だとかそんな。ちなみに今は不機嫌。尻尾がぶんぶん動きやがる。

「あら、上機嫌ね」

「尻尾が動いて機嫌がいいのは犬!猫は逆だ!」

「……躾がなってないのかしら」

「ああ!?」

「ご主人様への言葉遣い、気をつけないと駄目よ?」

「誰がご主人様だ…この鬼畜クソおん」

「京介?」

クソ女、と暴言を吐こうとした口が止まる。やんわりと笑ったミスティの静止の声が耳に入ると同時、ミスティの手にある写真に血の気が引いた。一枚や二枚でなく、数枚。テーブルを見るにまだあるようだ。
その写真の内容は全て俺しか写っておらず、その、この間紅茶に薬を混ぜられた時のものである。いつの間に写真を撮っていたんだと吃驚する反面、その写った自分の姿に酷く赤面してしまった。

「やっと現像出来たのよ…京介、見たい?」

「見たくねーよんなモン」

「あら、そう。折角こんなに可愛いのに」

ちらりと写真を見せられるだけで嫌な気分になる。思い出しそうだ、その時の事を。
ミスティは変な性癖がある。俺自身とセックスした事はなく、俺を他者に輪姦させてただ傍観して楽しむという変な性癖だ。
あの写真は紅茶に媚薬盛られて、地縛神の生贄の為に勧誘して来ていた奴ら数人に俺を輪姦させた時のもの。記憶自体は曖昧なのだが、写真なんて見たくもない。

楽しそうに写真を見ていくミスティを睨んで、意味がないとわかると床に寝た。
まあミスティの言いたい事は分かった。つまりその写真がミスティの手の内にあるのだから、俺は暫くミスティの玩具になっていなくてはならないという事なのだろう。よーく分かった。察しがよくて嫌だよホント。

「京介」

「……なんでしょうかミスティ様」

棒読み。ぐたりと寝たままミスティを見上げると、ミスティは微笑ましそうに笑った。なんだよその笑顔は。椅子に座っていたミスティは立ち上がり、ぎりぎり鎖のせいで届かないであろう位置に屈んで俺を見下ろす。
寝たまま見上げると、ミスティは言った。

「座って、にゃあ、と言ってみなさい?」

「……はあ?」

「京介?」

「……」

意味のわからない要求だ。反論するのも許されないらしい。ミスティの片手に持ったままの写真を一瞥して仕方なくずるりと体を起こし、床に両手を付き、崩した正座のような体制でぺたりと座る。

「……にゃあ」

「可愛いわ」

「……」

よくわからない。ミスティは屈んだまま俺に近寄り、頭を撫でる。少しだけ高い位置にいるミスティの頭を撫でる動作は毎回されている事だ。今回は頭に耳があるので普段と少し違うが。
けれど耳の付け根を意識してなのか、丁寧に撫でられると心地が良い。

「…京介、貴方は本当に可愛い」

「……それはもう、分かった」

ミスティはそう言い、俺の額に髪越しにキスする。
ミスティは俺を愛でる。最初は、俺を件の弟と重ねているのだと思っていた。
しかしそれは絶対に違う。弟を輪姦させる訳がないから。
そうすると理由は一つ。愛されているのだろう。それしかない。あまり嬉しくはないが。

「…ねえ京介、紅茶を飲みたくはない?」

「………嫌です」

以前にも見た記憶のある、胡散臭いにっこりとした表情で言われて血の気が引いた。何をさせる気だこの鬼畜クソ女。
猫耳猫尻尾で数人に輪姦されている写真なんて…うわ一種のトラウマだろう、それ。



***



れ 様よりリクエスト、ミスティ×狂介の狂介獣化で主従関係、です!

何故か女性と絡むとビッチさのカケラもなくなってしまう我が家の狂介君…そしてあまり獣化生かせてないですねorz
苦情は受け付けます(^ω^)

ミスティさんは狂介大好きだといいです。愛でて愛でて愛で倒したいあまりにする事がちょっとアレな感じになっちゃうくらいに(^p^)

では、リクエストありがとうございました!







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