快晴の空
昼休み。チャイムが鳴ってすぐ、俺は席を立った。
一時間前から授業に参加していない鬼柳が気になったからだ。ノートを机に仕舞い、筆箱は放置。確か、気分が悪いから、と言っていたので、きっと保健室に居るんだろう。
とまで考えて、少し止まる。
保健室、だろうか。ちら、と一階へ下りる階段を見てから、屋上に上がる階段を上がった。
案の定そこには鬼柳が居る。保護者が煩いので、と滑降直前の結構前から高くなった冊網の前に突っ立ち、校庭を見下ろしていた。
「鬼柳、」
「…ん、遊星」
どうした、と鬼柳は笑う。どうしたはこっちだ、と困り笑いを浮かべて近付いた。
鬼柳は、ああ、とまた笑う。
「保健室に行ったんじゃないのか?」
「んー、まあな」
「なんで此処に?」
「途中で2、3人後輩が来てさ。ベッド譲ってやった」
いい天気だし、此処で食わねぇ?と笑う鬼柳。手ぶらだろ、と思いつつ鬼柳の隣に立った。
「本当、人がいいな」
「そうか?」
今の低学年は、なんというか…所謂サボりに保健室を使う者が多い。わざわざそんな奴らに、病人が快くベッドを明け渡す理由等ないのだ。
「あ。弁当、教室か」
「…鬼柳」
「ん?」
手を伸ばして、鬼柳の額に手を当てる。熱が少しあるようで、すぐに手を離してから、口を開いた。
「無理はするな」
「別に、してない」
見てないとすぐに無理をする。
怒ると決まって笑ってごめん、って言うのだ。謝って貰いたいのではない。心配なんだ。
***
京介を心配する遊星
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