※性的描写有


俺のDホイの整備はルドガーがしてくれてる。元来ルドガーは機械整備は得意らしい。
ギガントLが手作りだと知った時の驚きは未だに覚えている。だってこんなに綺麗なペイントに、繊細な部品の構築、オマケに車体のデザインを全てあのルドガーが熟したのだと、そう聞いたら誰でも吃驚する筈だ。しかし素っ頓狂な声を上げて驚いた俺を、ルドガーは全力で殴ったのだったか。あのオッサンは容赦を知らないから困る。


そうして今俺は意味もなくギガントLに跨がっていた。そろそろ外を走り回るのもいいが、とりあえずこのDホイにはうっとりとする。俺専用のだからだ。

旧モーメント、この建物の中にはそれらしいガレージはない。だからDホイの置場、整備場は外へ続く大きな扉の付いた隅の部屋に設けられている。窓は一切なく、後から置いたのだろう棚には整備用の工具が幾つかあった。
俺のDホイの隣には、まだ組み立て中らしいDホイが並んでいる。赤い塗装が準備されているので、ルドガー用なのだろうか。俺の他にダークシグナーはルドガーとディマクとミスティがいる。
シャープな車体は正直ルドガーやディマクには合わない。しかしだからと言ってミスティのあの緑の服に赤は似合わない。誰用なのだろうか、と首を傾げたと同時か、室内から廊下へと続く扉が開いた。
ぐるりとそちらに視線を遣ると、そこにはルドガーが居る。俺を見て、室内に入ると色のない表情のまま扉を閉めた。

「…今日整備ある日だっけか」

「いや。そちらのD・ホイールの整備だ」

「ふーん」

そう言って、ルドガーは棚にある工具箱を掴んで組み立て中のDホイに歩み寄る。
シートに座っている両足の間にできたスペースに両手を付き、ルドガーを見遣った。
どかりと床に座り込んで工具を開く。がしゃりと音を立てて、必要そうな工具を床に置いた。

正直、Dホイを組み立てる様子を見れるのは嬉しい。ギガントLを見たのは既に完成した時点であったから。
組み立て中のDホイの奥にあった古い箱を手繰り寄せてルドガーは部品を取り出す。

その内容は全く分からなかったが、だが目の前で次第にDホイが形状を成す様は見ていて楽しかった。


「完成?」

「…部品が足りんな」

がちゃり、とルドガーは工具を置く。Dホイは大分形を成して来た。俺のギガントLの色が無いだけ、殺風景ながら形はほぼ完成に見える。
ルドガーは「部品を取り寄せるか…」なんて呟いていた。正直俺には何が足りないのかわからない。一人首を傾げる。

「……見ていて楽しいのか?」

「ん?」

ぽつり。こちらに背中を向けたままルドガーは言った。
質問の内容を遅れて理解して、ああ、と返す。

「そりゃ、楽しいぜ?俺Dホイ好きだもん」

「……そうか」

何考えてるんだか良く分からない声色で言い、ルドガーは工具を片付けて立ち上がった。それを意味も無く視線で追うと、ルドガーは棚の元あった位置に工具の箱を置く。それを見届けてから、色の無いDホイを見遣った。
ゼロからここまで組み立てんのは、本当にすごいと思う。ぼんやり考えたままルドガーを見ると「なんだ」とばかりに俺を見返した。

「……ん、いや。すげーなってよー」

「……何がだ?」

「アンタの技術だよ。細かい作業とか自分に出来ないからマジ尊敬する」

言いながら意味も無く座っているシートの横側をパシパシと叩く。ルドガーは聞き、そうして少し考えてから口を開いた。

「惚れ直したか」

「…え?…ん、まあ。…どしたんだオッサン」

なんか普段と違うな、なんて。ルドガーはこんな洒落言わないから、いつも通りに意図のよくわからない笑みを浮かべる様を見ながら違和感だけ滞ってぐるぐる留まる。ぐいと大きく首を傾げて見せれば、ルドガーは工具が落ちないようしっかりと置き場所を固定して俺に歩み寄った。

「……ルドガー?」

「…少し付き合え」

「……何にだ?俺Dホイの整備とか出来な」

がしりとしっかり後頭部を抑えられて、屈んだルドガーにキスされた。吃驚して咄嗟に瞼を閉じる。優しく髪を梳かれ、状況が読めずに困惑した。
肩に力が入り、触れるでもない両手がルドガーの肩の手前で止まる。少しだけ離れた唇に合わせてゆるゆると瞼を開けば、情欲に濡れたルドガーの瞳と目が合った。珍しいな、と小さく呟く。ルドガーは不適に口角を上げた。

「貴様ばかりが盛って発情する訳ではない」

「…俺はルドガーが好きだからサカんの。だから、その言い回しはアンタもそうってコトになるけど?」

言うとルドガーは更に口角を上げる。ダークシグナーってやつは極めて欲望に忠実なのだと俺は思う。
優しく頬を撫でられ、それに便乗して俺は静かに瞼を閉じた。この行為は、互いに触れ合う時間は、人間に限り無く近い場所に居られる気がする。
ぎゅうとルドガーの首元に抱き着いた。






一興。遊んでみるのも良いだろう。そう提案したのはルドガーだ。本当このオッサンはあまりに性に忠実だと思う。まあ俺程じゃねーけど。

貪欲に俺の中を刺激するルドガーのモノにヨガって俺は涙を流す。普段と違うからか、刺激はよりいっそう強く感じた。

「っ、ルド…ガ、ぁ…んぁあっ!」

ぎゅうと必死にハンドルを掴む。ルドガーの作ったこのハンドルは、本当掴み易くて良いと思うよ、最高。だけど今はそれが変な感じ。

ギカントLに座ったルドガーに背面座位で挿れられ、倒れそうな上半身はハンドルに縋って堪えさせている。

辛い体制だが普段と全然違う角度での挿入と、不定期な律動に俺は涙を流しながら喘いだ。その度に律動は激しくなる。

「っ、ふ…ぁああ…!!イくっ、……ル、ド…がぁ……!」

「……ああ…っ」

余裕ない声で返し、ルドガーは俺自身に手を添える。ぐちゃりと音を立てて握り込まれた瞬間、俺は「あ」と声を上げて大きくルドガーを振り返った。ルドガーは俺と目が合うと首を傾げ、律動を弱める。

「ぁっ、あ……この体制で…イきたくな…い」

「……何故だ」

喧しそうにルドガーは尋ねた。ふるふると震える腕で頑張って体制を意地したまま、息を整える。

「…せーえき、出したら……ギカントLにかかっちまう、じゃん」

「……」

「そんなん、ヤだしっ…ぅああ!?ひっ、ああ…!!」

がくん。言い終わる前に激しく揺さ振られた。ぐちゅりぐちゃりと卑猥な音と、煩い俺の悲鳴めいた喘ぎが室内に響く。更に握り込まれていた自身を激しく刺激され、酷い快楽に何も考えられなくなった。

「っ、ぁああっ…!るど、っ……る…っが、ぁああ…!!」

「…っ」

「ャだ、出ちまうって……や、ぁああああっ……――――…っ!!」

激しい快感。絶頂を促され、俺自身はびちゃりと白濁をギカントLの機体に吐き出した。まだ続く律動に小さく喘ぎつつ、ドロドロと次第に下へ垂れる白濁を眺める。

どくりと中でルドガーの自身が脈打った。どくんどくん、白濁を吐き出され、体が震える。
ハンドルを掴んで居た腕を引かれ、胸元に抱き込まれた。
甘んじて胸元に寄り掛かると、頬を手の甲で撫でられる。それに頬を擦り寄せた。

「っ……ぎがんとえる、よごれちまったよ、ルドガーのばぁーかぁ」

「…整備するのはどうせ私だろう」

すりすりとルドガーの厚い胸元に後頭部を寄せて、瞼を閉じる。優しく頭を撫でられ、眠くなったので「うんたのんだ」と小さく呟いて、ことりと寝に入った。お休みルドガー。



***



前半でラブラブさせたくて頑張って、後半エロ書いたら気が済んだから手抜きになった!(^ω^(←

超短書にて、ルド狂がギカントLの上でにゃんにゃんする裏文書きたい、とかほざいたら書いてしまった。結構文字数少なく済んで良かったぜ(・ω・´)







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