戦慄ソナタ



※紛れも無く自慰です。でもぬるいです


ジャックが好きだ。好きで好きで堪らない。どれくらい好きかなんて言い表すなんて勿体ないんだ。この想いは俺の頭の中でだけ大切にぐるぐる回していたい。ジャックが好きだ。
ジャックは知らないし知ったら軽蔑するだろう。初めて決闘した時から俺はジャックが大好きだ。僅差で負けた時に最初はすごい奴だなと思っただけだったけど、次の瞬間のジャックの僅差に追いやった俺を楽しそうに見るあの顔に恋をした。
昔は可愛い純粋な子供だったからわからなかったけど、今思うに俺は性根からドM野郎なんだろう。ジャックのあのドS顔に恋をしたんだ。間違いない。


「頼むから、もう…やめてくれ…」


ぐるぐるぐるぐる。頭の中で考えたくないジャックへの想いが嫌でも回る。止めてくれ、本当に、お願いだ。
骸骨騎士とやらからオーガ・ドラグーンというカードをもらってからずっとそうだ。もう止めてくれ、違うんだ、俺は、ジャックが大切な仲間だから救いたいんだ。だからこうして探し回ったジャックを救える手立てを手に入れた。オーガ・ドラグーンを。なのにそいつに頭の中を目茶苦茶にされたんじゃ、意味がない。どうにかしてくれ。

「……ジャックは、好きだ、でも違う…そうじゃなくて…」

仲間として。だろうか。本当に。他の仲間とジャックは同じだっただろうか。自分の中で。
テレビで、雑誌で、成長したジャックを見て何を感じたか。背が伸びガタイの良くなったあの綺麗な青年を見て、自身は何を感じたのか。友人の成長を喜んだか?違うだろう、女みたいにときめいたんだろう。ああそうだときめいていた。雑誌のページに至っては切り抜きまでした。そうだ、ジャックが好きだ。好きなんだ。

ジャックに触れられたい、ジャックにキスされたい、ジャックの体躯に押し倒されたい。そう考えている。いつもごまかしていただけだ。声変わりをすっかり果たしたジャックは、気高い声色で俺の名前をいつか呼んでくれるだろうか。あの人を見下す事に愉悦を感じる彼が、俺を蹂躙する様を想像して興奮する。ああやっぱり俺はドM野郎なんだ。

「っ…じゃ、く…」

こうして自身の苦悩に苦しんでなだれ込んでいた筈の寝台で、自慰に浸る。滑稽だと笑ってるのは残っている理性なんだろうか、なんにしても全く意味がない。

「んっ…ぁっ…ぁ」

施設を脱出してから一人で生きるのは大変だった。でも手っ取り早い金稼ぎの方法は一つだったし、きちんと妙な病気も移されずに注意しながら今日まで来たんだ。
今思えばその商売の合間にもジャックを思っていたんじゃないか、否定は出来ない。じゃなきゃオッサンに排泄器官を割開かれてるのに、あんなによがれる訳がないだろう。

「ぅ…ぁッ…ジャック…っ」

先走りでぬめる指先を、後ろに差し入れる。そこまで抵抗がなく入るのを複雑に思いながら、長い指でも限界があると眉をしかめた。前立腺は掠めるが奥まで攻められない事に少し不満だ。
ジャックの性器は間違いなく怖いくらい奥まで入るだろう。ああ想像するだけでイッてしまいそうだ。背筋がぞくぞくする。
ジャックのあの大きな手の平で腰を痛いくらい掴まれて、人間の尊厳もなくがつがつと攻められたい。痛くていいから、ジャックの性処理道具だと痛感させられるくらいに酷いものでいいから、ジャックとシたい。

「あっぁぁッ!…ひっ…!じゃ、…く…っ」

好きだ好きだ好きだ、ああもう理性とか知らない。好きだ、ジャックが、とんでもなく。ジャックの為に何かをしたい、ジャックの為の何かに成りたい。ジャックを助けたいのは仲間だから、なんて、嘘だ。ジャックを愛してるいるからだ。認めたくないだけで、認めるのが怖いだけで。

「ひっ、ぁぁあっ!!…ッぁ…――――…っ!」

前立腺に爪を掠めさせながら、呆気なく射精した。意地でも仲間だと、友人なんだと考えて来た大切な大切な人間に犯される想像しながら。それも人間の尊厳もないくらい手酷くされる想像をしながら。酷く興奮もして。
涎の垂れたシーツを、無駄に長い瞼のせいで見づらい閉じかけの目で眺める。

罪悪感の残る手酷い快感だった。



*



すいませんでした…!
本当に本当にすいませんでした。つまり闇の瘴気飲まれた鬼柳さんがジャックへの愛情を隠し切れなくなっちゃうっていう私得なヤオイですはい。

圧倒的なジャ←京ですね!へへ!←


ソナタ:器楽曲





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