※微妙に性的描写有り


俺がデュエルをする。すると勝つ。そうして負けた奴は消えた。それがイコールで金になる。
勝った日は夜に酒場で賑わった。つまり毎晩だ。全く飲んでいないグラスを眺めるのは習慣。騒がしい酒場は妙に馴染む。
山に送られた人間がどうなったのかは知らないが、だが大体予想は付いた。けれど考えるのも重みに感じる無気力な自分。嘲笑をするのも止めた。結果的に風任せだ。しかもロクな風に任せてはいない。この風は確実に良くない。


人肌が恋しかった。人肌。
一言で言うと、それは手を繋ぐ事や抱擁を指すように聞こえる。が、違った。この場合は性処理を指した。
性処理はその間何も考えずに済む。そんなのは酷い害の無いドラッグのような物だったが、だが何もしない自分には何よりも効果的だ。近場に立っていたラモンにそう伝える。
娼婦を手配してくれればいい。
聞いて、ラモンはテーブルで酒を仰ぐ子分を呼ぼうとして、止めた。首を傾げて見せると、ラモンは俺の耳元で言う。

その言葉に少しばかり黙って、それから瞼を閉じた。別にいいか、なんて考えて頷く。
すると機嫌よく肩に添えられた。にこりと笑む表情は普段のご機嫌伺いの表情と似ていたが、少し違って見える。肩に添えられているラモンの手を一瞥、床に視線を落として歩いた。

酒場の2階は寝泊まり出来る仕様になっている。所謂連れ込み宿というやつで、その一室が俺の部屋として設けられていた。室内は他の部屋と比べると広く、また快適に思える。
だが軋む扉は他の部屋と同様だった。寝台は丈夫だが。

部屋に入り、腰に付けているホルダーとコートを脱ぐ。テーブルに置いて、扉を閉めるラモンを振り返った。
歩いた勢いのまま、少し躊躇いが見られながらも唇を奪われる。息をする間もなく塞がれた事に吃驚して、思わず小さく勢いを付けた両手でラモンの肩を押した。呆気なく離れたラモンと目を合わせながら、呼吸をする。

「嫌ですか、先生?」

「……」

「あっさり頷いたんで、大丈夫かと思ったんですが……」

困ったように後ろ頭を掻くラモンは、もう片手で俺の髪の上から頬を撫でる。やめますか、と質問よりは肯定に近い声で言われ、咄嗟にゆるりと頭を横に振った。否定するそれを見せて、ラモンを見上げる。唇を丁寧に指でなぞられ、それからゆっくりと唇を奪われた。




う、と声を上げる男性。細身な腰に意識したなぞる動きで触れると、艶やかな声を上げて体を震わせる。組み敷いた体は痩せているけれど、しかし昔付けたらしい筋肉は僅かに健在している為にとても良いバランスをしていた。

動きますよ、と耳元で囁いてから胎内に入った自分のモノを緩やかに動かす。痛そうな声で身を攀るので、髪を撫でた。
女を抱く時はこう、優しいというか気遣うというか。しないんだがな。まあデュエルして貰わないと困るから機嫌伺いか、と理由付けるのだが、どうにも納得がいかない。不思議な気分になって来たのを振り払うように、動きを潤滑にして行く。
シーツを握り締める片手に自分の掌を重ねて、瞼を閉じて身を震わせる先生を見下ろした。

「あっ……あ、ぁ……ッ」

譫言のように漏れる喘ぎ。堪えてはいるが、しかしそのせいで耐え切れずに漏れる喘ぎは最高に妖艶だ。ぞくりとする。
額を合わせる辺りまで顔を近付け、声を聞きながら律動した。



***



ヤってるだけですね。うん。
ラモンさんは鬼柳さん相手にはなんだか攻め以外考えられない。けどラモ鬼書いた後書きでなんですが、モブラモ裏とか書きたかったりする。
むしろモブラモ+モブ鬼。うん、幸せだ←







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