植木鉢発見。なんだコレ。
俺の寝食に使う狭い部屋の手前の廊下から行けるベランダにあるそれを見て、ガラス越しにじっくり眺める。どう見ても植木鉢だ。しかも少しだけ芽が出てやがる。
まだ日も明るく、太陽がてっぺんにあるものだから不快でさっさとその場から退散して、外から完璧にシャットダウンされた部屋に行きたかった。だがその植木鉢が気になって気になって。結局動けず眺めている。

ふと反対側の廊下から歩いて来るディマクを発見。あ、と声を上げて近寄る。ディマクは不思議そうにしながらも歩を進めた。俺が目の前に着くと、足を止める。

「………なんだ」

「あれ、何」

指を指す。憎たらしいくらいに明かりが差し込むベランダを見て、ディマクは「ああ」と色の無い声で言った。

「……花だ」

「はあ?育ててんのか?」

「まあな」

じゃあな、とディマクは歩き始める。振り返ってディマクの背中を追った。

「なんの花だよ」

「…………名前は知らん」

「意味わかんねェ」

「……」

じゃあもう行け。そう言いたげなディマクの目がジロリと俺を見る。俺の部屋の扉を通過して、ディマクに着いて行く。ディマクは面倒臭そうに溜息を吐いた。

「種を拾った。興味があったから育てている。一番日当たりがいいのはあのベランダだからあそこに置いた。世話は俺がしている」

聞きたい事を全て言って退けて、ディマクは俺を睨む。これで満足か、さっさと何処か行け、って目だ。
つかそんな饒舌になれんなら普段からそうしろよ、と口を付いて出そうになる言葉を珍しく自重して、言葉を選ぶ。

「なあ、世話手伝っていいか?」

「……」

「なんの花か俺も気になるしよ」

「……好きにしろ」

言ってディマクは着いた自分の部屋の扉を開く。俺を見てから、中に入って扉を閉めた。



***



ディマ鬼というかディマ+鬼?
ディマクさんはダグナーの中で一番優しいと思いたい。ただぶっきらぼう。







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