ヘリアンサス



※強姦で遊星がかなり酷い扱い
 現代パロディ




寝台に突き倒した体は油断していたのかあっさりとシーツに沈んで、そうして鬼柳は遊びかと悪戯に笑って俺の名前を呼んだ。ああなんて愛しいんだろう。なんでその一挙一動が俺を煽っているのだと自覚しないんだろうか、いや、そんな天然なところも愛しくて堪らない。俺がズボンからベルトを引き抜く姿をキョトンと丸くした目で見るあどけない顔ときたら、もう、なんだってそんなにも予想通りの顔をするのか。
引き抜いたベルトを片手に俺も寝台に乗り上げる。流石に何か違和感を感じたらしく、俺の名前を少し怯えながら呼んだ。それにどうしようもなく胸が高鳴り、興奮してしまう。身を引いて逃げるように寝台の上で移動をしてみせる姿が、愛しい。
鬼柳とは高校に入ってから友人関係が始まっていた。人懐っこい鬼柳は誰とも親しくなり、それはあまりフレンドリーとは言えない俺にもそうだった。笑顔で自己紹介をして俺へ名前を聞くその姿に、ずどんと恋に落ちていた。だが鬼柳は男であったので仕方なくごまして来ていたが、もう限界である。
いくら鬼柳を思って自慰行為に浸ろうと満たされやしない。集合写真や修学旅行時の写真を鬼柳の顔だけを拡大コピーして部屋の壁に張り付けたが興奮しようと満足なんて出来もしない。そうすると考えが一巡して、何故目の前にいるのに触らないのだろうかと思ったのだ。
鬼柳は誰とでも仲が良かったが、贔屓目抜きで俺と一番仲が良かった。休日はほとんど俺と遊んでいたし、何かしらペアを組む際には俺を選んでいた。昼食も必ず俺と食していたし。
なので鬼柳を家に呼ぶのは簡単だった。鬼柳の家族は忙しい父親一人で、一人暮らしの俺の家に泊まりに来ないかという誘いも簡単に通った。
今日この日をどれ程待っただろうか。胸が高鳴って仕方ない。
引き抜いたベルトで鬼柳の腕を拘束したいが、いくら肌が白く細いと言っても高校生男子だ。全力で抵抗されてはうまくいかない。あまり乱暴はしたくないが仕方ない。
寝台に後ろ手につかれている鬼柳の腕を掴むと、案の定鬼柳は振り払おうとして全力で抵抗する。腕に注意がいったので、左手で鬼柳の頬を大きな音をたてて叩くと、ひっと高い悲鳴を上げて鬼柳は体を竦めた。
怖いのだろう。痛みより勝ったそれに従って鬼柳は体を縮こませて俺を見上げる。力の抜けた腕を再度掴むとやはり抵抗をしたので、今度は右手で鬼柳の頬を打つ。ぱしんと音が響き、声にならない悲鳴をあげて寝台に体が倒れた。怒りより混乱が混ざっている内にと鬼柳の両腕を、置いておいたベルトで拘束する。ぐるぐると後ろ手に巻き付け、腹に一度通して止め具で固定すると間接の関係上痛そうに軋む。
鬼柳は嫌だと叫んだ。防音性があまりないマンションなので、仕方なく枕を取り枕カバーを外す。逃げようと寝台からずり落ちた鬼柳の体を引っ張りあげて、赤く腫れ上がったその頬を再度叩いた。ふざけるなと流石に怒りが勝ってきたらしく鬼柳は吠える。その口へ丸めた枕カバーを押し込んだ。全ては入りきらないので自然に外れないくらいに入れて、後は垂れるように外へ出す。
ふと顔を見ると、鬼柳はボロボロと涙を流していた。俺はといえば珍しくきっと笑んだと思う。鬼柳の泣き顔は初めて見たからだ。なんて可愛らしいのだろう。写真を撮っておきたいが離れる訳にはいかない。鬼柳はまだ足が自由だ。今はただ足だけが自由でも逃げ切れないと混乱しながらも考えているのだろう。
体をガクガクと震わせて鬼柳は綺麗な薄い色素の瞳をキョロキョロとさ迷わせていた。その様が小動物のようで愛しいが、俺を見てくれない事に苛立ちを覚える。何故いつもこちらを見てくれるのに、今は見てくれないのか。
横倒しになっているその体を腕を引いて仰向けにする。俺を嫌でも見るように顎を固定すると、唾液が染みてきた枕カバーの奥から泣き声のような声が聞こえた。体に下敷きになっている両腕を揺り動かし、鬼柳は何かを訴える。何を望んでいるかは大体わかるが、それを叶えたら鬼柳は逃げてしまうだろう。それは嫌だ。
愛してると耳に囁くと、鬼柳はびくんと体を竦ませる。ああキスしたいが、今は無理か。大きく開いた鬼柳の口の横、赤く腫れた頬にキスする。鼻で呼吸する音は辛そうで、胸が高鳴った。
鬼柳のズボンに手を掛けるとぐぐもった悲鳴とともに流石に足で蹴るように抵抗をする。涙を流しながら嫌々と顔を横に何度も振った。気にせず進めるが、蹴り上げた足が肩に当たる。何度もする内の一回のがむしゃらな蹴りなので痛みはほとんどないが、ただこれでは続けられやしない。
鬼柳の脇下辺りに手を付き、覆いかぶさるように見下ろして、頬を殴る。手の平じゃあ音ばかりで体に覚えさせられないだろう。拳を一度だけ頬に下ろす、ごっと音がして鬼柳の顔がシーツに沈む。唸るような声と溢れ出す涙を見て、頭を撫でて遣った。鬼柳は抵抗が無意味だとやっと痛感したらしく、体全体の力を抜く。
再びズボンに手を掛け、下着ごと脱がすと肌同様真っ白な性器と髪色より淡い色素の陰毛が伺えて、思わず生唾を飲んだ。校内のトイレなんかで横目に見えてしまう事はあれど、今こうして自分の手で暴くのとは違う。嗚咽を漏らす鬼柳の声を聞きながら、ズボンを鬼柳の足から引き抜いた。体育の時も思ったが、体毛の色素が薄い為に白い肌でも体毛が目立たない。体毛が生えていないように見える足だが、触れてみれば薄い色素その体毛があるのがわかる。鬼柳の冷たい体温を堪能しながら太股を撫でると、少しばかり鬼柳が体を攀った。
擽ったいのだろう。ただそれだけだろうがそれでも嬉しくて、そこ舌を這わせた。びくっと体を跳ねさせ、鬼柳は足を引くが蹴り上げようとする寸前で足を下ろす。学習したのだろう。逃げるように上半身を捻るだけに留めた。
腫れた頬へ手を伸ばし、撫でる。愛してると再び囁くと鬼柳はただただ瞼を閉じるだけだった。




シャツは前をカッターで切り裂いた。唾液で濡れた乳首は真っ赤に熟れていて可愛らしいし、首筋には何回も残した鬱血の跡がある。グシャグシャになった口の布から唾液が溢れて、涙で腫れた目元と赤くなった頬も合わせて全て俺のせいでこんなに乱れていると思うとひどく興奮した。
しかしどうしても鬼柳の性器は萎えたままである。エロ本やAVじゃああるまいし、恐怖の中そう簡単に勃つ訳もないとはわかるが、しかし鬼柳の快楽に溺れる姿が見れないのはとても残念だ。
ネットで調べたアナルセックスの下準備を済ませた頃には、鬼柳は唸り声以外上げなくなった。虚ろな目で天井を眺めている。名前を呼び掛けると少しこちらに目を遣る程度だった。
指四本軽く入るくらいに柔らかくなったそこに、触ってもいないのに硬くなった性器を挿れる。ネットで調べた内容はどちらも痛まずに済むという下準備だったのだが、全くその通りだった。熱くひくひくと蠢く中は奥に進めば進む程に気持ちがいい。完璧に奥にまで突き挿れると流石に鬼柳がまた涙を漏らす。
名前を呼ぶと鬼柳はこちらを見た。涙で濡れた瞳で見られるとどうしても嬉しくて、興奮してしまう。薄い腰を掴んで、細い脚を肩に掛けて激しく打ち付けた。その度ひどく気持ちよくて仕方なく、幸せだった。今鬼柳の中に、と、そう思うと快楽が募る。俺は動物の交尾みたいに激しく腰を揺すって、あっという間に吐精した。その間、何度も何度も鬼柳を呼んだ。自慰とは比べられないくらいに気持ちがいい、今目の前に鬼柳がいて鬼柳がこちらを見ていて、鬼柳の中に挿れて鬼柳の中に出した、そう思えば思う程に堪らなくなる。すぐさま硬さを取り戻した性器を抜かず、そのまままた鬼柳の腰を強く掴んで体を揺さぶった。性器を突き入れる度に中から出した精液が溢れ出る。
ずっと鬼柳の顔を見下ろしていると、変化に気付く。ほとんど無表情に瞼を閉じていたのに眉根を下げて顔を赤くしていて、なんだろうかと律動を緩めた。名前を呼ぶと鬼柳は嫌そうに瞼を開く、ふと白濁に塗れた結合部へ目を遣るとその手前、鬼柳の性器が少しばかり勃ち上がっているのが見える。一瞬訳がわからなかったが、だがネットと調べた時に前立腺というものを刺激すると、と書いてあったのを思い出した。
前立腺を刺激しながら性器をいじると、と、書いてあったと思いながらまた腰を揺すって右手で鬼柳の性器をいじる。すると鬼柳はまた嫌々と首を振った、赤くなる頬と短くぐぐもった悲鳴をあげる口元。硬くなる性器に嬉しくなって、強く刺激をする。耐え切れなくなって口元に収まった枕カバーを引き抜くと、瞬間大きく嬌声が上がった。エロ本やAVのようにまさしくあんと発せられたそれに体が熱くなる。嬉しくて嬉しくて手探りでネットに書いてあった図解を思い出して前立腺に馬鹿みたいに性器を擦り付けて、鬼柳の性器を爪をたてたりと刺激した。鬼柳の恥体をじっと眺めていると鬼柳と目が合う。虚ろな瞳に、ああ理性なんてなくなったんだと理解した。そして好都合だと鬼柳の唇にキスする。
軋む寝台にぐちゃぐちゃと鳴る水音、それに言葉になりきらない鬼柳の嬌声。もうどうにもならないくらいに興奮して、俺はまた鬼柳の中に吐精する。しかし小さく腰を揺すりながら、まだ鬼柳の性器への刺激は続けた。鬼柳も譫言みたいにイくと何回も言った後に嫌々と顔を振って白濁を吐き出す。ゆうせいゆうせいとふわふわした声に呼ばれて、まだ硬さを無くさない性器を挿れたまま鬼柳を見遣った。鬼柳はやはり涙を流しながら何かメッセージがある訳でもなく俺の名前を呼び続ける。
…もしかして壊してしまったのだろうか。いやまさかそんな筈はないだろう。理性が戻ればまた、と、まで考えて息が詰まる。今鬼柳は頭が呆けて俺とのセックスに悦んでいるが、だが理性が戻ったらまた拒絶されてしまう。だったらいっそ壊してしまった方がいいのではないのだろうか。
もう何が何かもわからないように鬼柳はただただ虚ろな瞳で天井を見上げていた。




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ヘリアンサス
花言葉「誘惑」