クロウと雨男鬼柳 * 「俺、雨男なんだよなぁ」 なんかあると雨が降るから。誰にとでもなく言い、鬼柳は窓枠からだらりと腕を垂らした。 外は雨が降っている。腕に雨が掛かるのも気にせず、鬼柳は俯いて腕をブラブラと降った。 「たとえば?」 「おう」 よく聞いた、とばかりに鬼柳は笑顔を見せる。そうして雨で濡れた腕を室内へ戻し、雫を払うべく数回腕を摩った後に鬼柳は笑った。 「うまくいくかなって時、大体雨が降るんだよ」