現パロ
鈍感ディマク先生にアピールする狂介君



*



「どうよディマク先生」

「あのな…」

どうと言われても。ディマクは眼前で楽しそうに笑う狂介を見て、頭を抱えた。

今居るのは印刷室で、時刻は放課後。狂介の仕業でカーテンの締め切られた窓の外では、野球部の騒がしい声出しが聞こえる。

狂介はひょんな事でディマクの教科の準備を手伝う係になった。それからというもの、まあ、狂介はプリントの印刷や綴じ込み、教材の準備等を手伝う事にになっていて、そしてよく働いている(ミスの絶えなかったディマクの授業がスムーズに進むまで、だ)。

ディマク自身もそれはかなり感謝していて、幾ら感謝しても感謝しきれないと思っている事だ。
狂介は問題児と促われ易いが、根は良い子だ。そう考えている。

そうして今回も、放課後に明日の準備をという事でディマクは狂介を呼んだ。
しかし狂介は印刷室に来たかと思えば、まず扉を内側から鍵を閉め、近場にあったコピー用紙の入った箱を何個も扉が開かないよう扉の前に置いた。それからカーテンを全て閉め、それから呆けた様子のディマクの前で、するりと制服を脱いだ。

裸かと一瞬思わせたが、狂介はズボンを脱ぎ終えて誇らしげに笑い、そして学校指定の紺色の水着姿を披露。そして今に至る。

「どうも何も…」

「似合う?」

「……似合…う?んじゃ、ないか?」

「疑問形かよー」

何がしたいのだろうか。ディマクの頭の中にはそればかりだ。狂介の思考が読めない。
狂介はディマクの苦悩も気にせず、そのままディマクに歩み寄った。
ディマクは狂介を見下ろし、暫く考える。肌は白いし体は細い、水着が似合うかと聞かれれば、一言に貧弱と言える彼の体型に露出の多い服はあまり似合わないのではないだろうか。

「アンタにしか見せないんだぜ?」

「……何をだ?」

「みずぎすがたー」

にかーっと尖った犬歯を見せて笑い、ディマクの胸元から腹部にかけてを中指と薬指で撫でた。骨に沿って這う指先は性的なそれを意識した動きであったが、ディマクは意味がわからず首を傾げるばかり。狂介は本当に意味のわからないらしいその仕種を見て、はあ、とため息を吐いた。

「私にしか、という事はつまり……」

「うん」

「……鬼柳、今日の体育、サボったのか?」

「ぁあああサボったよサボりましたよサボったけどちげぇよばかかおま…いやもうクソハゲ死ねし」



 

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