満足同盟期
鬼柳を見てるクロウ


*



鬼柳が夜よく泣いているのを知っていた。嗚咽を堪える声が聞こえたからだ。だけどそれは本当に堪えて堪えて、嘔吐しまうのではないかというくらいに辛そうだった。そんな光景を見たのは多分俺だけなのだと思う。いや真相はわからないが、ただジャックや遊星だったら早急に相談なりなんなりして鬼柳を救っていたと、思ったんだ。俺は何もしなかった、出来なかった。ただ見ているだけだった。何故泣いてるのかも、何も。いつか俺を頼るのではという密かな期待がなかったとは言い切れない、けれど、俺が彼を救おうと出来なかったのは事実だった。彼が俺に救われて喜ぶだろうと言い切れなかったのも事実だったが。



 

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