鉱山にて
モブとラモン



*



ほら立てと言われて俺は適当にはいと答えて痛む体に鞭打って立ち上がる。手を着いた地面はゴツゴツした小さな石が沢山あって掌がじくりと痛んだ。漸く立ち終えて震える足に眉根を潜める。目の前に居る鞭を持った男はそれはそれは楽しそうに俺を見ていて、俺は少しずつ視線を置く場所を変えて目線を反らした。

俺はこの鉱山にダインを掘りに送られた筈だ。機材と機材の奥にあるこの小さなスペースの向こう側からは作業の音が聞こえる。なのに俺は作業道具を持たせて貰えない。作業道具を持ち、肉体労働をする事がこの行為よりどれだけ良いか。俺は憂鬱に溜息を吐き出したいのを堪え、生理的に溢れそうな涙を堪えた。

女遊びしか経験の無い俺の拙い奉仕は男達を悦ばせたらしく、俺は情け程度にまだ来ていたシャツを脱がされる。好きだったデザインのペンダントも、革で出来た紐部分をぶちりと小気味でちぎり取られ、そのまま孤を描いて遠方へ投げられた。からんと音を立てて落ちたそれを眺め、押し倒されて無理矢理に同性を受け入れる事を強制させられた体が軋み、小さく悲鳴を上げる。

空いた片手で顔にぶちまけられた白濁に触れ、吐き気を堪えた。美人で色っぽい女の顔にぶちまければ俺だって興奮するから、まだわかる。何故俺の顔にぶちまけてこいつらはこんなに興奮しているんだろうか。痛みや気持ち悪さ、嫌悪感から来る吐き気を堪え、俺はただ泣く事は無いようにと気張って地面に爪を立てた。



 

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