現パロ
不動父と京介



*



学校帰りに駅近くのデパートのCDショップを覗いてたら、前方に遊星を発見した。あれでも遊星はさっき電車乗りに行ったよな、と考えて小首を傾げる。改札通ったのは見たからとことん不思議になって、俺はCDショップの向かい側にあるブックショップに入る遊星を追った。

と、肩を叩こうとして違和感に冷汗をかく。おかしい。遊星が俺より背高い、し、それに服とかよく見ると制服じゃない。
でも髪型とか、髪型とか、髪型とか、どう見ても遊星なんだけど…な。肩を叩こうとした手を下げ、そろそろとその場から離れる。と同時か、その人がぐるりと振り返った。ので目が合った。

やはり遊星とよく似ている。だが遊星より背が高いし、歳もいってるように見えた。前髪の出し方が遊星とは大分違い、あと目付きが遊星より柔らかいかもしれない。
その人は俺をじいと眺め、暫く悩んだようにしてから、ああと呟いて俺を指差した。

「鬼柳京介君か」

「……は?」

見事名前を当てられた訳だが、俺はこの人を知らない。困って小首を傾げると男性はにこにこと遊星と似た容姿のくせに、遊星が決してしない表情で俺に握手を求めた。俺はその握手に応え、よくわからないのに握手する。

「遊星から君の話をよく聞くよ。遊星は大分君が好きみたいだからね…うんうん、遊星が言う通り、写真より美形君だ」

「はい?」

男性は何回も納得したように頷き、にこやかに俺と握手している掌をぶんぶんと上下に振った。
遊星の知り合いなのだろうか、とまで考えて似た容姿と、先程からの物言いに少しばかり合点が行く。まさか。

「……遊星のお父さん?ですか?」

言えば男性は、ああと爽やかに笑って頷いた。



 

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