満足同盟期
クロウと鬼柳



*



「くろーの目ェきれーだなー」

ごろり。ソファに座っている俺の膝を枕にして寝る鬼柳。うーんと手を伸ばして俺の頬を撫でた。

「そうか?」

「うん。おっきくて綺麗」

「ふーん」

あまりにじいと見てくるので、こちらも見返してやる。するとにこりと笑い、鬼柳は頬にあった手を移動させ、俺の目元を目頭から目尻まで中指で撫でた。

「取り出して保管して眺めたい」

さも当たり前の衝動かのように言い、鬼柳はああと恍惚の含まれた溜息を吐く。俺も鬼柳の金色の瞳は綺麗だとは思うが取り出したいだとかは思わない。
寝ている鬼柳とは逆の方向に首を傾げる。留まっていた鬼柳の手はするりと落ちて、鬼柳の胸元に帰った。

「いや、やめろよ?気持ち悪いし」

「うん血まみれとか気持ち悪いし汚いからやんない」

「なんだそれ」

互いに笑うでもなく言い、どちらもほぼ同時にあーと唸って黙る。ソファの背もたれにずしりと体を委ね、天井を仰いだ。



 

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