チーム解散後のクロウと鬼柳


*



チームを抜けたのはつい先日。あの後、遊星とジャックと会った。ジャックも抜けたらしい。愚痴るつもりはないけれど、やはり鬼柳のこういう所には着いて行けない、とかいう話はした。遊星はまだチームにいるらしい。鬼柳に着いていてやらないと、鬼柳は壊れてしまいそうだから、だとか言っていた。もう壊れてるだろ。

俺は鬼柳が苦手だった。結構一緒に居たけれど、鬼柳の性格が測れない。分からない。
話している時なんかは普通なのだが、鬼柳の行動はたまに不可思議になる。それを理解しようとするが、暗闇を模索するような、わからない感覚に捕われてしまう。
だから鬼柳が苦手だった。

ある日、帰る場所のあるガキ共を帰してそうでないガキ共を寝かし付けた頃に、鬼柳は俺を訪問しに来た。
外は雨で、びしょ濡れだった鬼柳を俺は何も考えずに中に招く。薄いタオルを押し付けて、なんだよ、と尋ねると鬼柳はボロボロと泣いてしまった。

「なあクロウは俺の事嫌いなのか?何処が嫌いなんだ?直すから、だから…帰って来てくれないか?」

鬼柳は俯いて言う。これは男女の痴話喧嘩か何かか。妙に冷めきった思考で、泣いてしまう鬼柳を見下ろした。



 

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