ダークシグナーで、鬼柳とカーリー


*


眠れないの。とカーリーは言う。なにしてんだ、と先に聞いたのは京介であり、そうしてカーリーを眺めていたのも京介だ。
京介は首を傾げる。眠れないのはまだわかる。だが何故此処に居るのかが不可思議だった。
京介とカーリーが居るのは、二人のD・ホイールの収容されている、所謂車庫。京介は飽きずにギガントLの改造をしている途中であり、京介自身自分が此処にいるのは当たり前な顔である。
だがカーリーは違う。カーリーのD・ホイールは最初渡された時から全く手を付けていない。眠れないからいじりに来た、は有り得ない。事実、カーリーは別にD・ホイールをいじりに来た訳ではなかった。
理由は一つ、この車庫に来る者はこの車庫の中の二つのD・ホイールに用がある者だけだからだ。

「……眠くなるまで見てていい?」

「いいけど。話掛けんなよ、気が散るから」

かちゃりと工具を手に取り、京介は言った。横で見ていたカーリーは一旦笑い、それから自分のD・ホイールに横向きに座る。了承したカーリーは全く話さず、京介もまた何も言わなかった。



 

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