愛の処方箋






愛する貴方の、快楽と言う媚薬
お願い、私に処方して?













「ねぇもるちゃん…」

「ん、なんですかー?」


ある日の午後、リーグ本部であるカントーリーグの会議室にて知り合いを集めてのお茶会を催していた。と言っても皆忙しそうで、集まったのは数人のみ。だが一番忙しそうな人ばっかり集まると言う、奇妙な構成になってしまった。主催者はシロナで、参加者はワタルやダイゴのチャンピオン2人、シロナが無理やり連れてきたヒカリとコウキの新米トレーナー組、そしてもるだった。レッドはタマムシの家で寝こけている。


「私達、今日のお茶会を開いたのには理由があるのよ…!」

「そうなのです!」

「な、なんですか?」


ずいずいっと顔を近付け、シロナとヒカリはもるに詰め寄った。ワタルとダイゴもにやにやとみているし、コウキは何の事かわからない顔をしている。どういう主旨で始まったお茶会なのかは把握していなかったので、知りたかったところだった。


「ずっと気になっていたのよ…」

「もるさんの事なんですけどね!」

「僕も知りたかった所さ。」

「俺は別に知りたかったわけではないが…まぁ、良い機会だしな。」

「あの、僕あんまり良く分かりませんが拉致られました。」


「はぁ…」


各々が興味津津な顔をしていて、もるはなんだが居心地が悪かった。しかしキラキラと目を輝かすシロナやヒカリの前では強くはなれない。何を聞かれるのかすごく怖いが、ここは聞かねば話が進まないだろう。


「もるちゃん…!」

「は、はい…」








「レッド君と何処までやったの?」

「……は?」


「もるおねえさま!キスやエッチを済ませているのはよーくわかります!けど、どんなプレイまでいってるかきかせて下さい!」

「僕の予想では、後ろも済んじゃってるんじゃないかな。」

「道具くらい使ってるだろうな。」

「気になるわっ!」


嫌な予感はしていたが、案の定最悪な質問である。顔をひきつらせながら固まっていると、ヒカリはもるの手をしっかりと握って問い詰める。


「あの、初めての時はどんな感じでしたか?慣れたらやっぱり痛くないんですか?むしろ痛くされる方が好きですか?」

「ちょ…ちょっと!」


「さ、質問に答えてもらうわよ!」

「…」


ダイゴとワタルも嫌な笑顔でこちらを見ている。物凄く脳内が焦っており、変な汗をかくのを感じた。これは逃げられそうにもない、仕方なく質問に答えて行くことにした。



「まず、私から…レッド君っていつも無口で何事にも無関心って言われてるけど、実際夜はどうなの?」

「…普通ですよ。」

「そんなわけないじゃない!獣の様に激しく求めあったりしちゃうの?」

「ま、まぁ彼も男ですから…」


何言ってんだろう、私は。そう内心涙目で思いながらお留守番をしてくれているレッドに謝る。ごめんねレッド、色々暴露させられちゃいそうだよ。


「もるおねぇさま、じゃぁ変なプレイとかもやっちゃうんですか?縛ったりとか野外とか!」

「そんなアブノーマルな事は…」

「でも、両手塞がれちゃったりして身動きできないようにされたりするんじゃ?」

「それはあるかもだけど…」

「きゃーっ!萌えるわ!」

「…」



「ねぇもるちゃん、初めての時ってどんな感じだった?もちろん後ろも。」

「後ろとかないですよ!初めての時は普通に痛かったし、でもレッドは優しくしてくれましたよ…」

「残念、後ろはまだかぁ…レッド君も初めてだったと思うけど、ちゃんともるちゃんのことを想ってやってくれたんだね。是非後ろは僕が穢させてね!」

「…」


「でも俺の予想では、最初こそは優しくしてくれるがその後は毎回鬼畜な行為だったりするんじゃないのか?」

「あ、ワタル、それは大いにあるかもしれないわね。」

「レッド君は何気に言葉攻めとか得意そうだしねぇ。」


勝手に話が展開している。大体正解しているから何も言い返せないのだが、こうも自分達のことで話をされると恥ずかしすぎる。コウキは真っ赤になって俯いていたが、ヒカリはギラギラと瞳を光らせ更に問い正してくる。


「もるおねぇさま、私は是非お医者さんプレイをオススメしますね!もちろん最後は"先生のお注射ください"ですよ!」

「勧めんでいいわっ!」


ついにこのノリが面倒くさくなって、コウキを生贄にさっさと退散する事にした。今度はコウキがチャンピオン達の餌食となり、ヒカリも思春期のコウキへ色んな興味があるようだ。コウキはヒカリの事が好きなのに、どうしてもガチレズが発動して見向きもしてくれない。シロナともるの間で幸せそうにお茶を飲んでいたヒカリの表情が忘れられなくて、コウキは失恋を自覚したばっかりだったと言うのに…








『抜け出して、良いのですか?』

「いいのよ…あれ以上一緒にいると根掘り葉掘り聞かれちゃうもの。」


卑猥な会話の中、ちゃんと背後で控えてくれていたルオラは本当に偉いと思う。カントーリーグ本部からだったので、空を飛んですぐにタマムシまで帰ってきてしまった。疲れた表情のまま自宅へ帰ると、昼寝から起きたばかりのレッドがソファで寛いでいた。


「ただいま、起きてたの?」

「おかえり…今起きた。」


「そっか、何か飲む?」

「…アイスコーヒーで。」


もるはお茶会で色々飲み食いしていたが、寝起きのレッドはきっと喉が渇いている。リクエスト通りにコーヒーを作りながら、ついでにクラッカーと苺ジャムもお盆に乗せて持って行った。


「…ありがと。」

「ん、簡単なものでごめんね?」


いつも寝起きは小腹が空く。レッドは何故か食欲旺盛でご飯の量も結構多いのだ。おやつだって太らない程度に良く食べるし、もるも色んな料理を作る機会が増えて楽しい。

今日のお茶会で話した事を、迷いながらもレッドに報告した。勿論内容はある程度伏せているし、具体的なプレイうんぬんは言っていない。しかしこの話をするもるはものすごく嫌そうな顔だった。



「お前達、何話してんだ…」

「コウキ君以外、最悪だったわ。」

「…」

「何がお医者さんプレイよ…ただの下ネタ談義だったわ!」


呆れ口調で先ほどまでの様子を語るが、レッドは特に表情を変えることなくコーヒーを飲む。他の相棒達はルオラに任せておやつにしてもらってる。今日は日当たりも良いので、お昼寝日和なんだそうだ。窓から気持ち良さそうに眠る相棒達を見ていると、突然背後から抱きしめられた。


「レッド…?」

「おいしかった。」

「そう、なら良かった。」

「…」

「…?」





「患者さんは、ベッドに居なきゃ駄目だろうが。」

「…はぁ!?」


何を突然言い出すのかと思ったら、急にひょいと抱き上げられ寝室まで運ばれる。優しくベッドに降ろされてしまい状況把握に頭を働かせていると、レッドはクローゼットから白衣を取り出した。過去にオーキド博士の研究所へ図鑑を見せに行った時に、少し手伝いをしたことがあった。その時に一日限りだが白衣を着て、それを持って帰ったままだった。なぜレッドがもるのクローゼット事情を知っているのか甚だ疑問だが、眼の前の男はそれを羽織ってもる押し倒しその上へ跨る。


「あ、あの、レッドくぅん?」

「先生…だろ…?」

「(こいつダメだ!)」

「今から悪い所ないか見るから、大人しくしとけよ。」

「ちょ、っと、んっ…待って、なんでそうなるのよっ!」


もるの主張を無視し、レッドはもるの両手首を片手で押えながら首筋へ唇を落とす。無意識に甘い吐息が漏れ、もるは力が抜けてしまい抵抗できなくなる。それを見てニヤリと笑んだレッドは、一気にもるの服をめくり上げた。


「きゃっ!?」

「心音、聴かないと…」


そのまま下着もずり上げて上半身を露わにしてしまう。いつもとは違って何処か強引な行為にもるも戸惑ってしまって、レッドの思うがままに翻弄される。いきなり胸の頂点を生温かい舌に包まれ、ゆるく刺激を与えられる。自然と心音は上がって行き、頬が上気してしまう。


「んっ、はぁん…」

「速い…顔も赤いし、何かの病気かもしれないな…」

「何馬鹿なことっ…ぁん!///」

「此処がぐちょぐちょだ…普段はそんなこともないのに、異常が起こってるんじゃないか?しっかり検査しないと…」


普段は無表情なレッドには珍しく、すごく愉しそうな表情でもるの下腹部を弄る。既にしっとりと濡れた下着を当たり前のように取り払い、花芯を擦るように刺激して口づける。先ほどよりか少し高めの啼き声が部屋に響いて、レッドは気にせずそのまま胸の飾りを丹念に舐め上げる。ぴちゃぴちゃと子犬がミルクを飲む様な音が聞こえ、もるは恥ずかしさでいっぱいになった。


「こんなにも濡れてる…」

「ぁ、やめ…っんう…」

「やめてほしくない癖に。」


耳元で囁き、細く長いしなやかな指がもるの中に侵入してくる。知り尽くした身体を更に熱くするのは、レッドにとって容易い事だった。気が付けば指は2本に増やされており、蠢くそれはもるを高みへと導く。


「あっ、あぁ…っもう、らめ…」

「イくなよ、まだ診察は終わってないんだけど。」

「あぅ…やだ、よぉ…レッドっ…」


「レッドじゃない、先生…だろ?」

「…っ、せんせぇ!///」


「良い子だ…どうしてほしい?」

「あっ、ひぅ…いきたいの…っ///」

「あっそう。でもこれ、まだ診察だからイかせれないんだ。」


意地悪そうに微笑んで、ねっとりと胎内で指を遊ばせる。大きな刺激がなくてもどかしい快感だけが送られ、もるの腿はもじもじと動き出す。その愛らしくも淫らな様子に満足したのか、レッドは膝立ちになってもるを見降ろした。


「何をどうして欲しいか、自分でやってみろよ。」

「そ、そんなっ…!」

「治療してほしくないの?」

「…うぅ///」


もるは重い身体を起こし、恥ずかしさと戦いながらレッドのズボンへと手をかけた。このようにさせるのも、レッドの調教が効いているからである。ぎこちない手つきでベルトを外し、少しだけズボンを降ろして下着の上から熱い高ぶりを撫でた。その感触に溜息をつき、レッドはもるの髪に指を絡ませ光悦の表情でそれを眺めていた。ゆっくりソレを取り出し、半分勃起している自身を小さな手が包み込む。先端から舌でチロチロと舐め、精一杯口の中へ含んで奉仕する。レッドの悩ましい吐息を聞いて興奮したのか、もるも下腹部を熱くさせながら懸命にソレをしゃぶる。


「っふ、もう良い…」

「ん、ぁ…」


「最後の治療だ…欲しいか?」

「っあ…欲しいょ…///」

「ヒカリって子が言ってた、こう言うプレイも悪くは無いな…」


レッドは意味深なことを呟き、もるを再び押し倒した。腰を抱え、裏腿を掴み秘部を晒す。欲望を宛がい、次に来るだろう快感に身を焦がすもるに問うた。


「"お注射の時間"だ…」

「ふっ、くぅん…ぁ、早く…!」

「まだだ、お前から強請れよ。」

「そんなぁ…っ///」


レッドは緩やかに、先端だけを擦るように腰を揺らす。その小さな刺激さえも今のもるには欲しくて堪らなかった。何故レッドがヒカリの言っていた事を具体的に知っているかなんて、今は気付くこともなかった。



「あっ、せんせぇ…せんせいのお注射がほしいですぅっ///」

「…やっぱりお前、可愛いな。欲しいならくれてやるよ。」


理性なんて無くなったもるは、酷く煽情的な表情でレッドにおねだりをした。流石にレッドもそんな良い反応をしてくれるとは思っていなかったらしく、快感に素直なもるへ男根を沈めて行く。長い白衣の裾がもるの足先に絡まり、レッドともるは何もかもが繋がっているような錯覚を覚える。うわごとのようにレッドの名を呼び、熱く彼を溶かしていく。いつもよりも淫らな彼女に、レッドも限界が近づいていた。


「っん!そんな、深くし、ちゃ…っ///」

「好きな癖に…もうすぐ、注射してやる…」


激しい律動を経て先にもるが音を上げた。全身をびくりと震わせ、レッドにしがみ付く。その大きな快感にレッドも眉をしかめると、最奥へ白き愛情を放った。果ててから全てを送るように腰を少しだけ揺らし、レッドはゆっくりと欲望を抜き出す。そう言えば避妊を忘れていたと、ドロリと出てくる白濁を見て思い出す。未だ息の荒いもるがそれを察して、気だるそうな眼差しでレッドに呟いた。


「きょ、う…安全日だから…」

「そういう問題なのか?」

「あんまり意味無いって言うけどね。」

「そうか…ごめん。」

「…いいよ、旅だって一段落ついたようなもんだし…そろそろ一つの処に身を置くのも、って考えてたもの…」


少し恥ずかしそうに目を逸らしながらレッドにぼそぼそと伝える。その様子が愛しくて、レッドは情事で汚れたお互いの身体など気にせず強く抱きしめた。2人分の体温は空に輝く太陽よりも暖かで、いつまでも抱きあっていたいほど心地よいものだった。










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事後オチ?微妙な終わり方ですみません…なんか長くなっちゃいましたね。久しぶりの裏なのでちょっと難しかったです。
実はレッドはヒロインのポケギアを通話しっぱなしで持たせていました。もちろん会話は全て聞いています。それに気付いていないので、ヒロインはレッドが昼寝をしていると勘違いしていましたが、実際は普通に起きて盗聴していました^^

りおん様リクエスト、レッド甘裏になります。お気に召していただけたでしょうか?お持ち帰りは御本人様のみとなっております。







 





 
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