意地悪な彼との、初心な夜
レッドがついに壊れた。いや、いつも破壊的だけど…って、そういう意味じゃないのよ!むしろ、そう言うもるが壊れかけている気がする。
今日のレッドはおかしい。もるはいつも通り特訓をして、ゴウエン達をセンターで回復し、自身も休憩している時だった。朝から夕方まで外に出ていたので、その間にレッドが何をしてそうなったのか全く分からない。ポケモン情報雑誌を読みつつ、レッドの様子を伺う。
「レッドどうしたんだろう…なんか余所余所しいというか、でもこっちを見るときの眼はすっごく厭らしいのよね…」
もるは冷や汗をかきながら、雑誌の隙間からレッドを見る。もるがセンターに戻ってきてから、宿泊室で妙な空気が流れている。ピカチュウの毛繕いをしているのだが、ちらちらとこちらを頻繁に見ているのがわかる。正直すごく気まずい感じだ。
「(なんていうか…居心地悪いのよね!ここは言っちゃった方が絶対いいや。)」
意を決してもるは雑誌を閉じる。恋人同士になって間もない彼女達だが、打ち解け合ってからこんなに気まずいのは初めてだった。
「…ねぇ、レッド?」
「…」
熱い視線が刺さる。紅く鋭い瞳は、見つめるだけで色々恥ずかしくなる。
「何かあった?今日ちょっと変かな〜って思うんだけど。」
「…ピカチュウ。」
「ちゃぁ?」
無視かい!と心の中で突っ込むが、これはまだいつものやりとり。レッドの膝でブラッシングしてもらっていたピカチュウは、もるのベッドでピッピ人形とプロレスをしていたライガに声をかける。生憎、ピカ語はわからないので何が起こっているか把握できないが、ライガ達は窓から飛んで行った。この2匹は遊びに出かける時、窓からぴょんぴょん飛んでいく。今日は時間がもう遅いので不安だが、声をかける間もなく行ってしまったので、どうしようもなかった。
「ちょ、ライガ!?」
「…遊びに行っただけだ。安心しろ。」
「遊びにって、ピカチュウに行かせたの?もうこんな時間なのに!」
いくらライガ達が素早くて強いと言っても、心配なものは心配だ。レッドが何をしたいのかわかるはずもなく、少ししょんぼりしながらもるはベッドに座る。レッドの気持ちを知るのには、彼の眼を見つめれば大体わかる。ちょっと恥ずかしい気持ちはあるのだが、もるはいつも通り彼を見つめる。
「レッド…」
「…」
彼の瞳に写るのは熱情のみ。思わず身体が震えたが、なんとか平静を保つ。レッドは怒っているのだろうか?何か怒りを買うことをしていたのなら、謝らなければならない。こうやって人払い(ポケ払い)までしてるんだから、大切な話なんだろう。
「レッド、私何かしたかなぁ?もし悪い事してたんだったら、謝るよ。」
「…違う。」
「??」
もるは頭上に"?"マークが付かんばかりに間抜け面をする。本当にレッドの考えていることが分からなくなった。しかし、こんな彼の表情は初めてで困惑しているのだ。もるが困り果てていると、不意にレッドが立ち上がる。
「…」
「ん?どーしたの?」
なるべく優しい口調でレッドに問う。もるは少しの恐怖を眼に宿しながらも、彼からのアクションを待った。
「もる…」
「なーに?」
「抱いて良い?」
―――ボフッ
「ひぇ!?」
「色気ないな…」
「ぇ!?え、あの、ちょ…っ」
「だから、抱いて良い?って聞いてるんだけど。」
どうなんだよ、とレッドは威圧する。押し倒されたもるは頭が真っ白になって、上手く言葉を話せなかった。口をぱくぱくしていると、レッドはその唇に視線を落とす。
「何、キスしてほしいの?」
「ちがっ…ん、んぅ///」
いつもの優しく、啄ばむ様なものではなく、深く熱い口付けをされる。もるはそれに応えるのが精いっぱいで、自分の身体に起こっている事がわからなかった。
「で、良いの…?」
「れ、れっどぉ。。」
「何?」
「あの、私そういうこと初めてなんだけど…」
「知ってる。俺も初めて。」
もるは元の世界では経験したことはあったのだが、この世界に来て記憶が塗り替えられていくことにより、そんなことは全くもって頭にない。肉体的にも、14歳の身体なので未経験の純白無垢な状態だ。ある程度はうっすらと、その行為のあれこれは知っているが、もるは今の状況でそれを思い返すことが出来るわけもなかった。
「私達まだ子供じゃない…?その、知識も少ないし。。」
「子供って年齢でもない気がするけど。知識はある。」
「(何時の間にーっ!?)」
「お前を傷つけないように、ちゃんと勉強したから…だから俺を信じて欲しい…」
「レッド…!」
照れながら言うレッドを、もるは吃驚した顔で見る。あのレッドがすごく初心なのだ。レッドの事は信じている。今までも、勿論これからも!
「ねぇ、レッド。」
「…」
「私レッドを信じてるよ、だから…あの、優しくして…ね?」
もるの言葉を聞いたとたん、何かのスイッチが入ったかのように荒々しく口付ける。それはまさに獣のようで、でもレッドの激情が流れ込んでくるのがわかる。優しい抱擁に、深い口付け。それだけでもるは昇天しそうだった。レッドは耳元で愛の言葉を囁く。もるは力を抜いて、レッドに応えた。
部屋の照明は元々あまり明るく付けていなかった。先ほどまで夕日が部屋を照らしていたのに、もう今は薄暗い。ふかふかのベッドに倒され、苦しくなるほどの接吻を受けてへろへろのもるは、自分の首筋に顔を埋めるレッドの頭を撫でた。
「んっ…レッド、くすぐったい…」
「すぐに気持ち良くなる。」
「もぅ、ばかっ!」
恥ずかしさからレッドの髪を、くしゃりと掴む。その手を優しくほどき、レッドの舌は徐々に下降する。少し肌蹴ていた胸元、もるの服はワンピース状なのでこれ以上は開かなかった。羞恥から解放されると思っていたのも束の間。レッドはワンピースの裾を掴むと、一気に捲りあげた。
「ひゃっ!!///」
「…良い眺め。」
舌舐めずりをして真下のもるを見る。胸の上まで捲りあげられた身体は、下着によってガードされているのみだった。もるは過去に上半身を見られたことがあるが、こんなにもじっくりと下着の段階から見られるのは初めてである。
「み、みないでよぅ!」
「何で。綺麗なのに。」
平然と恥ずかしいことを言ってのける。照れて発狂する勢いのもるを尻目に、レッドは下着の上から胸を触りだす。男の自分にはない柔らかな膨らみ。まだ発達途上だが、レッドには関係なかった。そっと、下着をそのまま服と同じように胸の上まで上げる。露わになった全て、ほんのり紅いその先。引き寄せられるように唇を落とす。身体を震わすもるに視線を送りながら、優しく口で愛撫する。
「れ、ぁ…れっど…っ」
「痛くない?」
「んっ、大丈夫だよ…」
眼を瞑って必死に快感に耐えるもるをニヤリと見て、更に執拗に舐めまわす。片手で揉みしだき、反対の胸を舌で感触を味わった。空いた手で腰回りを撫でる。びくりと跳ねる身体を抑えて、優しく内股を揉む。
「はぅっ…」
「気持ちいい?」
「…ぅん。。」
「素直、可愛いな。」
「っ!!///」
レッドの腕を掴む力が少し強まる。それがただの照れ隠しだというのはわかっている。レッドは腰の手を、下着のサイドに滑らせる。ゆっくりと降ろして、スッと脚から抜いてしまう。急に涼しさが襲ったからか、もるは下着を取り払われたのを感じた。ぷにぷにした太腿を寄せ合って、必死で秘密の茂みを隠そうとする。しかし、その行動がレッドの欲望をそそるなど、微塵も気づいていなかった。
「そんなくねらせて、もう我慢できない?」
「なっ!?違うわよっ、はずかしいのよ…っ」
もるは真っ赤な顔で反抗するが、愛撫によって力の抜けた身体は大したことは出来なかった。その動きが余計に艶めかしく見えて、レッドは愉しそうに眼を歪ませる。
「その顔、誘ってるだろ。そんな顔しなくても、すぐに気持ち良くしてやる。」
耳元で吐息を交えて囁くと、面白いほどもるの身体は跳ねる。無表情無関心が通常のレッドからは考えられない光悦の表情。妖しげに微笑んだまま、レッドはもるの茂みに指を這わせる。まだ穢れを知らない聖域は、しっとりと湿っていた。
「なんだ、感じてる。」
「…いわないで。」
「嬉しいよ。」
「うぅ///」
正直者なレッドは、素直に喜びを伝える。それが聴覚による刺激になって、もるの下腹部は疼く。湿りに指を慣らし、小さく主張する突起をヌメりと撫でる。もるは甘い声を上げ、レッドにしがみ付く。初めてに等しいその感覚に胸が高鳴る。もるの様子を見ながら、レッドは更に捏ね繰り回す。聞いた事のないもるの声に、レッドも高揚していた。
「もる、もる…」
「はぁっ、あんっ…れっどぉ、だめぇっ!」
突起だけではなく、純潔の領域へ指を進めるともるは悲鳴に近い嬌声を漏らす。ゆっくり慣らして、徐々に深く指を沈ませる。もるの声色が変わる部分を探し、そこを何度も刺激する。もるは背中をしならせ、一度目の絶頂を感じた。
「ぁ、はぁ…今の…」
「イったね。」
「…うー。。///」
「何、顔上げてよ。恥ずかしい?」
「恥ずかしいわよっ!///」
「俺は嬉しい。幸せ。」
「ぐぅ〜…もう、そんな風に言われたら…」
私も幸せになっちゃうじゃないの。そっぽを向いて言ったもるだったが、意地悪に笑んだレッドは追い打ちをかけた。
「言われてから初めて、幸せか。じゃぁ今までは幸せじゃなかったんだな?」
「そそそそ、そんなことないよぅ!」
「ふーん…」
妖しくもるを見、再び愛撫を始める。果ててまだ間もないのに、急に刺激を感じて嬌声を上げる。きゅうきゅう締め付ける秘部は確実に女の香りを漂わせていた。レッドはその色香に酔いながら、もるに問う。
「今何本入ってるかわかる?」
「ふぇっ、1本…?」
「残念。2本でした。」
罰としてもう1本追加な。そう言って指がもう一本増やされる。もるは下腹部の圧迫に快感を増す。再び身体が痺れるように感じ始める。レッドはもるの手を取ると、自身のソレに手を這わせる。
「ぁ、レッドの…」
「もう我慢できない。射れるよ…」
しっかりと勉強していたのだろう。ゴムを素早く装着し、もるの秘部に宛がう。お互い初めてで、どんな事が起こるかわからないが、手を取り合って見つめ合う。
「信じて…」
レッドの声を聞いて、もるは眼を瞑った。唇に温もりを感じながら、できるかぎり力を抜く。レッドが腰を進める感触がした。
「い、いっ…!!!」
「力抜いて、っく、キツい…」
充分に慣らしたものの、やはり処女の身体は過剰に反応した。何度も優しく口付け、もるを安心させる。力が抜けた瞬間、一気に沈め込んだ。弓なりに背をそらし、痛みと快感に耐える。荒い呼吸を落ち着かせるために、もるの身体を抱き締める。
「大丈夫…すぐに良くな、る…」
「ぁあっ、レッド…」
もるが落ち着いてきたところで、ゆっくりと腰を動かす。厭らしい水音を響かせ、夜は2人を獣にさせる。快楽が痛みを越え、もるは今までにない強い波に襲われる。レッドは締まりだす胎内に眉をしかめる。どんどん速度を早め、2人で昇り詰めて行く。
「あっ、あぁん!れっどぉ、もう…っ」
「俺、も…一緒に…っ!」
レッドの背に爪を立て、必死にしがみつく。大きな快感の波に身を委ね、レッドともるは共に果てた。荒い呼吸のまま、余韻を感じる。レッドは優しく触れるだけの口付けをすると、ゆっくり自身を引き抜いた。その時のもるの吐息が色っぽくて、もう一度口付けた。
「ん…っ」
「…もる。」
「れ、っど…?」
いつの間にか意識が飛んでいたようだ。もるは眼の前にあるレッドの顔に照れながら、身体を起こそうと思った。しかし、下腹部の鈍い痛みで再びベッドに逆戻りすることになる。
「いったぁ。。」
「そりゃ、事後だし。」
しれっと言ってのけるレッド。月明かりが逆光になり、レッドの表情はわからないが、優しく髪を撫でてくれるその手が優しくて、すごく安心した。
「そっか…私、レッドと…」
俗に言うセックスを体験した事が、すごく恥ずかしい。だがレッドが初めての相手だということが、嬉しくて幸せでどうしようもない自分がいる。もるはレッドに寄り添い、その温もりに甘える。
「お前、可愛かった。気持ち良かった?」
「なっ!?///」
にやにやと厭らしく微笑みながら至近距離で見つめられる。思わず正直に気持ち良かったと言ってしまう。悔しいし照れくさい。でも幸せなのだ、どうにでもなれ!
「俺も気持ち良かったよ。」
「ぁ、はひ…。。」
「もる…
愛してる。」
そのまま口付けられ、抱きしめられる。泣きそうになるくらい、もるも愛おしく思った。窓から月光と一緒にライガ達が帰ってくる。邪魔しないように、もうひとつのベッドに2匹は飛び込む。彼らの寝息を聞いていると、もるも眠たくなってきた。うとうとしていると、背中をぽんぽんと優しくリズム良く叩かれる。もるはレッドの腕に抱かれながら、そのまま眠りに落ちた。
―――
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