INFINITY | ナノ


「名前〜居らへんの〜?」


仕事が終わって名前の家に行くとリビングは電気は点いているもののシーンと静まり返ってた。すると耳に入ったのはギターの音。リビングを出て廊下の右の部屋のドアを開けると机と睨めっこしながらギターを弾く名前の後ろ姿。


「名前」

『♪〜』

「名前」

『ん?あぁ亮来とったん?』

「作ってんの?」

『うん、亮今度ドラマやるやろ?その主題歌になるんやて。昨日話貰ってん』

「へー、凄いやん!出来たん?」

『聴く?』

「ええの?」

『ええよ』

「もしかして俺が聴くの初めて?」

『そうやで』

「なんか嬉しいな」


名前が関ジャニ∞の曲を作った事は何度かあったけど、俺のドラマの主題歌になる曲を作ってくれるのは初めてで、自分が主演のドラマの主題歌を彼女に作って貰うとか嬉しいやん?


『いくで......
それが君でした 愛し君でした...〜♪

〜♪

いつも何かを傷付けながら
そして自分も傷付いてたんだ
そんな日々に光くれた
永久にこの胸の深い場所で微笑む人

いつもだれかを疑いながら
震える足で日々を渡ってた
そんな孤独わかってくれた
そっと隣で肩を並べ寄り添う人

〜♪

それが愛でした 君が愛でした
どんな時もこの胸の中に
その瞳とその両手で
瞼閉じたココロの手を引く
君が愛でした 日々が愛でした
寂しさにつぶれ震える夜に
君がくれたちっちゃな灯火
明日の光へと変わりココロを 導いてく
明日へと 明日へと〜♪』


「めっちゃいいやん!」

『昔嫌がらせ受けて泣いた時も、去年ストーカーにあった時も、傍に居ってくれたの亮やったから』

「えっ、もしかしてこれ俺のこと?」

『さぁ、どうやろ』


ドラマの主題歌やから、内容にも合うように作ってあるから色んな意味を持たせるように書いてるけど、俺を想って書いてくれた歌詞で、そんなん嬉しいやん。可愛すぎるやん。照れたのかまた机の方を向いた。


「めっちゃ嬉しい。ありがとう」

『何でこんなん書いたかわかる?』

「なんでなん?」

『このドラマの内容聞いたら...』

「内容?」

『いやっ、何でもない!』

「えっ何?気になるやん!」

『気にせんでええよ』

「いいかけたのにズルいやんかー」

『なんもない!』

「もしかして、妬いてくれたん?」

『......知らん』


そうだよと言うように一瞬ギターを弾く名前の手が止まった。自分でも顔が緩んでいくのがわかる。ギュッと後ろから抱きしめた。


「...めっちゃ嬉しい」

『...何かリアルやん』

「おん」

『でも頑張って欲しいからいい曲にするって決めてん。でも何かムカつくから自分の感情盛り込んでみた』

「かわいっ。この曲あったら頑張れるわ。ありがとう」

『さっ、お風呂入ろっ』

「一緒に入る?」

『いやー』

「何で〜一緒に入ろうや〜」

『何もせえへん?』

「せえへん!」


愛でした。
(何もせえへん言うたやん!)
(えっ!そうやっけ!?)
(...あの曲捨てたる)
(あかんよ!ごめんて!)






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